富士は日本一の山
大月市は、
「富士の眺めが日本一美しいまち」
であることをPRしている。
この写真は、本日午前11時頃、
大月市真木(まぎ)のお伊勢山という
場所で撮影したもの。
アルピニストの野口健さんがこの
付近にお住まいになっているらしいと
噂に聞いている。
昔から、山梨県側と静岡県側では
どちらがより美しいか?
という論争が盛んだ。
いずれも、自分の住む方からの
眺めに思い入れがあり、
主観対主観の不毛な議論になりがち
となる。
眺めの美しさは、客観的な指標がなく、
言った者勝ちの感が強い。
美的感覚はどうしても個人によって
異なるから、仕方のないところだろう。
個人的には、山梨県側からの眺めが
好きである。
稜線が美しいのがその理由のひとつ。
静岡県側からだと、噴火口の跡である
宝永山が右肩に見えるのが、
「蛇足」のように感じるのだ。
結局、眺めには日本一のお墨付きを
付けようがない訳だが、
日本人との心の結び付きの深さという
点では、間違いなく日本一だと言って
差し支えないだろう。
標高日本一だから、というだけでは
その存在感の大きさを説明するのは
難しい。
富士山は、古来より信仰、崇拝の対象
として、多くの人々から親しまれ、
また畏れられてきた。
だからこそ、世界遺産登録にあたり、
自然遺産としてではなく、
文化遺産として登録されたのだ。
富士山を見る度に、毎度のように
思い出すことがある。
一番でなければ覚えてもらえない、
というマーケティングにおける
鉄則だ。
以前にも書いたが、人間の認知能力に
限りがあるゆえ、どんな分野で商売
するにしても、まず一番に思い出して
もらえるようになることが望ましい。
「二番ではダメですか?」
などという間抜けな発言がメディアを
駆け抜けたこともあったが、
ことマーケティングに関しては、
二番よりも一番を目指すことが、
圧倒的に重要だ。
「富士山の次に高い山は?」
の質問に、意外なほど多くの人が
答えられない事実からも、
人に知ってもらうには一番を目指す
ことがいかに重要かを示唆している。
一番になるというと、難しいことに
感じるかもしれない。
しかし、戦場の選び方次第で、
意外と簡単に一番になれる可能性が
あるものだ。
今年は、より一層個人が輝く時代だと
ここかしこで言われる。
ニッチな、極々小さな市場、戦場に
絞り込んでいけば、個人が一番を
狙う余地は十分にある。
私自身、組織内でのキャリアとは
別の個人としてのキャリアで、
一番を狙えるのはどこか?
より一層貪欲に探す一年にしようと、
今日の美しい富士山を眺めながら
考えた。
これをお読みいただいた皆さまに
とって、今年一年が実りあるものと
なるよう、お祈り申し上げます。