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従業員のエンゲージメント
「従業員満足度調査」というものを
大抵の会社ではやっているだろう。
従業員は会社にとって宝物。
満足して働いてくれているか、
何かしら不満を抱いているのか、
本音を探るために、無記名で、誰が
どんな回答をしたか分からないように
して、心理的安全性を確保した上で
進めるのが一般的だ。
最近では、満足度に加えて、
あるいは満足度に代えて、
「エンゲージメント」を調査する
機会が増えているように思われる。
「Engagement」という英語を聞いて
ピンと来ない人も多そうだ。
私自身も長らくピンと来ていなかった。
婚約指輪を「Engagement Ring」と
呼ぶことから、直訳は「約束」などと
することが多い。
従業員に関する文脈で使われる場合、
エンゲージメントとは、会社・組織に
対する愛着、愛社精神のようなものを
指すと言えばよいだろう。
「満足」にとどまらず、より積極的に
会社・組織を支えようとする気持ち、
とでも表現したらよいかもしれない。
元になる「Engage」という語は動詞
であり、「Engaged」となることで
「エンゲージメントを感じている」
「(会社/組織に)愛着を感じている」
という意味合いとなる。
先日、このエンゲージメントに関して、
会社には3種類の人間がいる、という
話を聞いた。
⓵Engaged:愛着を感じている
⓶Not Engaged:愛着を感じていない
⓷Actively Disengaged:むしろ害意を持っている
そして、これが風刺画で表現されていたの
だが、これがなかなか秀逸であった。
➀荷車を一生懸命引っ張る人
⓶その荷車に乗っている人
⓷その荷車の後ろに手をかけてブレーキとなっている人
エンゲージメントの高い人たちが
一生懸命に荷車を引っ張るのだが、
⓶が多ければ荷車は重くなり、
⓷が多ければ更にその進み具合は
遅々としたものとなる。
⓶や⓷があまりに多いと、
モチベーションの高い⓵の人たちも
疲れ切って、やがて荷車は前に進む
推進力を失うわけだ。
会社・組織を引っ張るマネジメントは、
いかに⓵を増やし、元気を出させるか、
⓶を荷車から下ろして➀に変えるか、
⓷が荷車にかけている手を離させるか、
そういったことに日々取り組まねば
ならない。
会社・組織に在籍する従業員を、
そう簡単に⓵、⓶、⓷と色分けできる
かどうかは難しいところ。
よくよく考えると、従業員自体を
色分けするのではなく、従業員の
行動を色分けするべきではないか、
そんなことに思い至る。
つまり、普段は⓵の従業員であっても、
プライベートでストレスを溜めて
突然⓶や⓷と思われるような行動に
出ることだってあるだろう。
結局のところ、
➀荷車を一生懸命引っ張る「行動」
⓶その荷車に乗っている「行動」
⓷その荷車の後ろに手をかけてブレーキとなっている「行動」
というように従業員の「行動」を
把握し、⓵の行動を賞賛して促し、
⓶や⓷の行動が損になるような
仕組みを全社的に構築していく
ことが必要なのだろう。
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