見出し画像

「日本の果物はすごい」発売開始

先日ご紹介した、友人の新著
遂に発売開始されました。

まだ読み切ってはおりませんが、
これは正に「力作」であることを
端々から感じ取れます。

リサーチにリサーチを重ね、
アレコレと書きたいことを書き連ね、
しかしながら紙幅の制約で泣く泣く
バッサリと削りまくる、そういう
プロセスを経たであろうことが
伝わってくるのですよね。

教養書として、非常に素晴らしい
内容になっていることを保証します
ので、是非とも書店で、あるいは
Amazonで、お手に取っていただけると
嬉しい限りです。

Amazonに目次が載っているので、
まずはそれだけでもいいので
是非見ていただきたい。
正直に言って、ヤバいです。
取り急ぎ、以下に引用させてください。

はじめに

第1章 柑橘――家康が愛して以来日本人を虜にした果物
1 柑橘ことはじめ
柑橘類の果実の特徴はあの「霧状の液体」にあり   柑橘(ミカン)の多様性   なぜ室町時代まで九州以外には広まらなかったのか?   知られざるタチバナの存在感   日本列島最古の柑橘類・タニブターを知っているか?   長寿村日本一へと押し上げたのはノビレチン?
2 日本の柑橘は小みかん(紀州みかん)で劇的に変わった
神武天皇に献上された小みかん   宝石並み? 室町時代の蜜柑の価値   徳川家康が自ら接ぎ木し駿府城に手植したミカン   名君が誕生したのはミカンのおかげ 紀伊国屋文左衛門の蜜柑船は都市伝説
3 温州みかんとミカン産業
温州みかんを世界に紹介したのはかのシーボルト   ペリー一行へのもてなし料理に用いられたクネンボ(九年母)   温州みかんは品種ではない   早生温州「青江早生」が島を救った   みんな大好き缶ミカン(ミカン缶詰)はいつからか?   北原白秋のふるさとで発見された「宮川早生」   ポンジュースの商品名は「ボンジュール」から   3代目ポンジュースとチクロ騒動   オレンジ輸入自由化と温州みかんの底力   紀州有田みかんの光景   みかんで全国から就職希望者を集める早和果樹園   静岡県の温州みかんで骨粗しょう症予防   小田原だからこそ生まれた冷凍みかん
4 個性派揃いの中晩柑
ある海から流れついた夏みかん   ハッサク人気のきっかけは銀座千疋屋   国による柑橘育種の出発点、興津試験場   次世代の柑橘の楽しみ方は香りにあり   タンゴールとは温州みかんとオレンジの交配種   戦後の愛媛を支えた伊予柑   デコポンという品種は存在しない   和製グレープフルーツといえばなにか?   学習支援教室「みかん島」の誕生   JR宮崎駅前広場には黄色でまんまるのポストがある   宮崎県の城跡で偶然発見され高知県で人気が出た日向夏
5 酸味こそが価値の香酸柑橘
知っているようで知らない香酸柑橘   中国生まれのユズが京の都の食文化を支えたカボスが料理人に認められたきっかけは太平洋戦争   すでに身近なフルーツ魚(フルーツフィッシュ)   優位性がないからこそ文学史に名を残したレモン   広島レモン、瀬戸田レモン、大長レモンはどう違う   レモンの浮き沈みの歴史から見える発がん物質騒動   レモンはレモンらしくないと売れない

第2章 カキ――いにしえより日本人と苦楽をともにしてきた果樹
1 渋柿が広げたカキの価値

カキタンニンの活用   干柿は神々に捧げる食事   さるかに合戦に登場したのは不完全甘柿   1000年前にはすでに存在した渋柿の脱渋法   信長、秀吉、家康がこぞって利用した堂上蜂屋柿   処刑直前に石田三成が発した名言   一度は絶えてしまった堂上蜂屋柿   干柿の一大ベストセラーの裏には1929年の世界恐慌   毛利軍の兵糧調達で始まった島根の干柿

2 生食用の甘柿
世界初の甘柿は東の高野山で発見された   300年の時を経てあの名句を生んだ御所柿   西吉野のカキと柿博物館   奥大和の山奥にカキで人を呼ぶ柳澤果樹園   柿の葉寿司専用品種がある   「富有」の名の由来は中国の古典から   蚕糸業界のドンが庄内柿の父と呼ばれた理由   カキの収穫量日本一は和歌山県   静岡県民と愛知県民は「次郎」好き   進む国や県の品種改良   国民的おやつ「柿の種」はなぜあの形?

第3章 ブドウ――謎の品種が日本で興した2つの産業
1 ブドウの品種の広がり

欧州ブドウと米国ブドウの違い   古代日本人にワインが根づかなかった理由   謎に包まれた甲州ブドウの生い立ち   信玄にも仕えた医仙永田徳本の大発明   宿場町を発展させた運搬ルート   ブドウ狩りは勝沼から始まった   ブドウ狩りだからこその楽しみ   DNAレベルで解明された本当のルーツ
2 日本ワインのあけぼの
初の国産ワインが流通するまでの軌跡   近年の甲州ワイン品質向上プロジェクト   甲州ワインをおいしくしたシュール・リー製法   「甲州」が秘めていた香り   高い輸出の壁を突破した「甲州」   明治政府の取り組み   薩摩藩邸跡地に三田育種場を創設した前田正名   幻の国営ワイナリー播州葡萄園
3 ブドウ産業のレジェンドたち
マスカット栽培の創始者、山内善男と大森熊太郎   ナパに逃亡した小沢善平と「デラウェア」   日本のワイン王神谷伝兵衛とシャトーカミヤ   神谷葡萄園と牛久醸造場   「蜂印香竄葡萄酒(蜂ブドー酒)」対「赤玉ポートワイン」   日本のワインぶどうの父、川上善兵衛   「マスカット・ベーリーA」誕生   サントリー登美の丘ワイナリー   太平洋戦争中に果物のなかでブドウだけが増産された理由   桔梗ヶ原ワインバレーならではの魅力   高校生なのにワインの製造販売が許されている塩尻志学館高校
4 そのまま食べておいしいブドウはどうやって発展したか
岡山県生まれの「ネオマスカット」   「巨峰」の開発に生涯を捧げた大井上康   種なしブドウの種明かし   師の思いを継いだ弟子が育成した「ピオーネ」   「藤稔」と「ルビーロマン」   山梨で赤いマスカットを創り出した男   「皮ごと食べる」という革命の元祖は「瀬戸ジャイアンツ」   大粒ブドウは世界でも珍しい日本独自技術の結晶   「シャインマスカット」の光と影   「シャインマスカット」以降の有望品種   笛吹川フルーツ公園と横溝正史

第4章 イチゴ――日本初の品種が誕生したのは新宿駅のすぐ近く
1 最初は日本人の口に合わなかった

奇跡の出会いで誕生したイチゴ   広まったのは出島や外国人居留地から   東京におけるイチゴ栽培ことはじめ   正岡子規がイチゴを特別に愛したわけ   施設園芸の先導者となった福羽逸人   事業失敗とヨーロッパ留学を経て「福羽」を育成石垣いちごが発明されたのは静岡県   なぜか久能山東照宮の境内にある常吉いちご園   その後の石垣いちごと「福羽」   クリスマス出荷に向けての技術開発
2 苛烈極まる産地間競争
いちご狩りは甲子園球場の隣ではじまった   宝塚生まれの大ベストセラー品種「宝交早生」   「宝交早生」を日本一にしたのは奈良県   栃木のイチゴは足利発祥、仁井田一郎が叶えた夢   「女峰」が栃木県を日本一にした   ブドウ狩りにヒントを得た静岡の観光イチゴ園   打倒「女峰」、福岡県生まれの「とよのか」の戦略「とちおとめ」でリベンジ、栃木県の逆襲   福岡県の「あまおう」参上   栃木県の「スカイベリー」と「とちあいか」   佐賀県育成品種で台頭した熊本県   大石俊雄の先見性と夏イチゴ(夏秋イチゴ)   競馬馬の名産地が夏イチゴの名産地に   白、黒、桃色、変わり者の品種たち   種子から育てる時代への道しるべ
3 イチゴショート対いちご大福
イチゴのショートケーキは日本生まれ   いちご大福は最初「どら焼き」にイチゴを挟んでいた   長野県にイチゴジャム産地をつくった塩川伊一郎父子   イチゴジャムといえば明治屋となる理由

第5章 メロン――大隈重信が流行らせた明治貴族の食べ物
1 マクワウリからマスクメロンへ

明治の世を騒がせた飛行機とメロン   長崎グラバー園が日本の温室のはじまり  メロンに網目模様ができる原理   マスクメロン以前のメロン、マクワウリ   秀吉、家康とマクワウリ   松尾芭蕉が遊び心を込めた一句   西洋メロンの導入は明治時代   園芸でつながった大隈重信と福羽逸人   大隈重信が流行らせたマスクメロン   マスクメロンは皇族貴族のステータスシンボル   関東大震災も影響しなかったメロン人気   三越本店でも開催されたメロン品評会   大正時代のメロンは1玉665万円   「アールスフェボリット」登場とその影響
2 産地の誇りを賭けた品種選定
富士山白雪、クラウンメロンのプライド   夕張メロン以前の北海道メロン   黒いダイヤから赤いダイヤへ、夕張メロン   世紀の大発明プリンスメロン   ネットメロンを庶民の食べ物に変えたアンデスメロン   クインシーメロンの名前の由来孤児院経営がきっかけで始まった庄内砂丘メロン   日本一のメロン産地、茨城県鉾田市   JA茨城旭村の看板品種のクインシーメロン   JAほこたが誇る「イバラキング」   プリンスメロンがきっかけで大産地になった熊本県   メロンの食べ頃とT字型の蔓の呼び名   マスクメロン型容器入りシャーベットアイス

第6章 モモ――神聖な果実から人間との共生を選んだ植物
1 空想の世界の果実から甲州八珍果まで

孫悟空が食べた蟠桃   世界に類を見ない「桃太郎」の登場シーン   縄文時代の遺跡から大量に出土した桃核   甲州八珍果(峡中八珍果)には何が選ばれたか
2 現代品種の生みの親は上海水蜜桃
上海水蜜桃と天津水蜜桃の登場   川崎で生まれた「伝十郎」と「橘早生」   2人のヒーロー、山内善男と大久保重五郎   岡山の白桃をブランディングした松田利七   佐久盆地をモモの産地に変えた塩川伊一郎父子   「白鳳」を育成したのは神奈川県   甲府盆地は日本の桃源郷   福島市民は全国平均の5・8倍モモを食べる   福島県だけにしか期待されなかった「あかつき」   知っておきたい近年の主力品種   山梨県期待の「夢みずき」と岡山県期待の「おかやま夢白桃」   モモとは思えないほど硬いモモ   モモは冷やすと甘くなくなる果物の代表格   モモは人間と共生することを選んだ   江戸時代の古品種たちに会える場所

おわりに

パッと見て、ご自身の出身地や、
ご縁のある土地
が出てきたなら、
まずはそこから読んでいくと
良いかもしれません。

我々に身近な6つの果物たちが
どのように今に至ったか、
地域や歴史と絡めて縦横無尽に
描いた力作、秋の夜長にピッタリな
テキストとなるでしょう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。