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「セイリエンス」とは何ぞや?
カタカナの専門用語にアレルギーを
感じる人は少なくないでしょう。
マーケティングが、その重要性の割に
なかなか理解されにくいことがあると
するなら、カタカナ専門用語の多さに
その理由の一端があると言っても、
あながち間違いではないと思っています。
そもそも、「マーケティング」という
言葉自体、外来語をそのままカタカナで
表記している言葉ですからね。
とはいえ、元々アメリカからの輸入
ものですから、様々な概念、用語は
ほぼ英語に起因しており、どうしても
カタカナが多くなるのはやむを得ない
ところ。
的確な訳語があればまだしも、
ピッタリ来る訳語がない場合も多く、
となるとカタカタでほぼ原語の
まま日本語化することになり、
これが厄介なのですよね。
そんな、数あるマーケティングの
カタカナ用語のうちの一つで、
私がなかなかスッと理解できずに
苦しんだものとして、
「セイリエンス」
という言葉があります。
普段、仕事で英語を使っていても、
この「セイリエンス」なる言葉の
出現頻度は極めて低かったため、
初めて聞いたときには一体何のこと
やら見当もつきませんでした。
PCにタイプして変換しても、
「整理円酢」
などと訳の分からない言葉が
出て来るくらいですから、
よほど日本では使用頻度の低い
言葉なのです。
ですが、「セイリエンス」という言葉
自体は、ブランディングにおいては
結構重要度の高いものなので、
覚えておいて損はないでしょう。
直訳すると、「目立つこと」とか
「顕著性」という意味合い。
すなわち、マーケティングにおける
セイリエンスは、ブランドや製品が
消費者の記憶にどれだけ強く残り、
購買シーンで適切に想起されるかを
指す概念と言えます。
セイリエンスが高いブランドは、
消費者が購買意思決定を行う際に
自然と思い出しやすくなり、
選んでもらえる確率が高まります。
これは、ブランドにとっては、
単なる認知度を超えて、消費者の
「心の中での存在感」を確立する
ことが重要であることを示している
といってよいでしょう。
たとえば、冒頭の写真にある
「コカ・コーラ」は、典型的な成功
事例としてよく引き合いに出されます。
宣伝広告やPR活動、パッケージ、
店頭のディスプレイなどを通じて、
常に「爽快感」や「楽しさ」といった
イメージを消費者の記憶に植え付けて
いるのはご存知の通りですね。
その結果、消費者が暑い日に
「何か冷たいものを飲みたい」などと
考えたとき、コカ・コーラがすぐに
想起されやすくなり、選ばれる可能性が
高まるというわけです。
この「セイリエンス」を高めるには、
以前にここに書かせてもらった
「特徴的なブランド資産」を
活用するに越したことはありません。
「特徴的なブランド資産」という
訳語が、あまりこなれていない感じを
醸し出しているのがちょっと残念な
ところですが、
元の英語は「Distinctive Assets」と
言いまして、他とは明らかに異なる、
固有の特徴を帯びた資産、という
ニュアンス。
これが、明らかにセイリエンスを
強固にしていくわけです。
この「セイリエンス」ないしは
「特徴的なブランド資産」を高める
ことは、単なる認知度向上を超えて、
最終的な購買行動に直結する重要な
マーケティング戦略となり得るので、
是非頭の片隅に入れておくと良いと
思います。
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