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自分の棚卸をする季節

大学生の頃、アルバイトで郊外の
ホームセンターに派遣されたことが
ある。
「棚卸作業」とだけ言われ、行けば
分かるから、みたいな適当な説明しか
もらえず、とにかく行ってみた、
そんな記憶がうっすら残っている。
実際の作業は、棚に並んでいる商品の
数を数えるというもの。
それが何を意味するのか、当時はほぼ
分からないまま、ただひたすら数を
数えて終了した。

「棚卸」というのは、会計用語だという
ことを知ったのは、社会人になってから
であった。
会社が持っている半製品(仕掛り品)や
製品(完成品)は、会社の「資産」と
なるので、その評価額をある一定時点で
正確に定めなければならない。
そのための在庫確定作業が「棚卸」作業
である。

会社によって、「棚卸」をやる頻度や
タイミングは異なると思うが、通常は
毎月、あるいは四半期に一度、在庫の
チェックを行って、現物の数と帳簿上の
数とが一致していることを確認するのが
通例だ。

この「棚卸」という言葉を、自分自身の
キャリアだったり、目標管理だったりに
使うことがある。
現時点での、
・自分のできること、できないこと
・得意なこと、不得意なこと
・成し遂げたこと、未完のこと
などを整理していく、そんなイメージ
だろうか。

「今」の時点における自分を客観的に
評価することで、次にどう踏み出して
いくかの寄る辺とする、それこそが
「棚卸」の意義だと考えている。

土曜日から、9日間連続の年末年始休暇
に入り、普段なかなかできないことを
やる時間が取れる。
とはいえ、油断していると、誰かが
盗んでいったのでは?と思うくらいに
いつの間にか時間がなくなっていく
ので、大切なことに時間を使えるよう
それなりに必死になる。

そんな休暇の時間にまずやりたいこと
こそ、自分自身の「棚卸」だ。
これだけの長い期間、仕事の心配を
せずに自分自身の時間を他のことに
振り向けられるタイミングというのは、
そうそうない。

私の場合、転職回数が比較的多く、
会社を移る前後のタイミングで有給
休暇を消化する兼ね合いで、長期の
お休みを頂いたことが多かったため、
そういうときにもこの「棚卸」作業を
行ってきた。
しかし、数年に1回ではやはり少なすぎ
であり、会社の「棚卸」同様、最低で
も1年に1回、可能ならば半年、四半期
に1回実施した方がいい位だろう。

具体的に「棚卸」で何をするかと言えば、
自分自身の目的、目標を見つめ直し、
理想と現実がどの程度乖離しているか
確認し、どうやってそのギャップを
埋めていくかの方法論を考え、そして
具体的にどんな行動を起こすかまで
決めていく、そんな調子である。

この自分自身の「棚卸」で行うことの
肝の部分を、別の言葉で言い換える
ならば、「フィードバック」という
言葉を使ってもよいと思う。

ドラッカー研究者である井坂康志さんが、
こんな本を出されている。

ドラッカーは、まず期待する成果を
書き留めておき、9か月ないし1年経過
した後に、期待と成果とを照合せよと
述べている。
期待通りの成果があがっていれば残し、
逆に期待外れだったものは廃棄する。
そんなシンプルな考え方だ。
この、「期待と成果の照合」というのが
「フィードバック」である。

目標管理の手法には様々なものがある。
ドラッカーのやり方をまねるもよし、
ご自身で編み出したものがあればそれも
よし。

私自身は、これまでに色々な人や本や
研修等々で仕入れてきたものがないまぜ
になっており、どれがオリジナルなのか
今やよく分からない。
とはいえ、シンプルにしないと続かない
ので、構造としては至ってシンプル。
つまり、目的、目標、行動リストを作り、
それをひたすら定期的に見直すという
だけのこと。

向こう数日かけて、じっくりと自分に
向き合いたい。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。