湖池屋・佐藤章社長のヒット連発術
日経クロストレンドの記事を
転載したと思しき記事が、
先日日経MJに載っており、
興味深く読ませてもらった。
記事のタイトルは、
育て「和風マーケター」
というもの。
キリンで数々のヒット商品を手掛け、
「伝説のヒットメーカー」の名を
欲しいままにした佐藤氏が、
湖池屋の再生を託されて久しい。
2016年9月の社長就任後、
「プライドポテト」を皮切りに
次々とヒットを連発。
本当に優れたマーケターは、
成功の再現確度が極めて高いことを
身を以て実証してきている。
そんな氏へのインタビュー記事、
全文を紹介したいほどに中身の濃い
記事なのだが、その中でも特に
気になった話題をいくつか
ピックアップしてみたい。
まずは、こちら。
R&Dに根差したものづくりの部分は
マーケティングに含まないと、氏は
捉えているようだ。
つまり、マーケティングを比較的狭い
意味で解釈しているということ。
広い意味ではそれもマーケティングの
一部であり、お客様に新しい価値を
問うことこそマーケティングの本質だ
と思う立場からは、読んでいて違和感を
感じたのだが、定義の違いは些末な話。
その後に続く部分が納得感が高い。
イノベーションとマーケティングは、
車の両輪のような関係で、両方ともに
企業の基本的な機能である。
ドラッカーも正にそのような趣旨を
展開されていた。
ここにも書いた通り、イノベーションに
求められるスキルセットが、狭い意味の
マーケティングに求められるスキルとは
かなり異なるが故に、両者は別々の機能
として別々の担当者が担うのが望ましい
あり方だろう。
佐藤氏は、恐らくはそういったことを
すべて理解した上で、これからの
世の中では両者を知っておく必要がある
と喝破している、そのように捉えた。
記事の最後では、
との抱負を語っている。
お客様を大切にする。
お客様のニーズをくみ取り、
それに応えていく。
マーケティングで重要かつ基本となる
この考え方に、
本格的なものづくりによる「驚き」の
エッセンスを加えなければ、
ヒットは生まれない。
持続的にヒットを打ち続けることは
叶わない。
高打率を誇る氏の一言ひとことが、
ヘビー級のパンチの如くに響く、
素晴らしいインタビュー記事だった。