屋外広告ポスター9つの原則(前編)
「交通広告」と聞くと、真っ先に思い浮かぶ
のは電車内のビジョンや中吊りだという人が
多いと思われます。
ビルの壁面に展開するビジョンや、
同じく壁面や屋上などに掲げる看板や
ポスターは、いわゆる「屋外広告」と
呼ばれており、交通広告も広い意味での
屋外広告の一部です。
屋外広告は、略語でOOH(Out Of Home)
とも呼ばれます。
つまり、家の外で見たり聞いたりする
もの全て、という考え方なので、
交通広告も定義の中に入ってくるという
わけなんですね。
そんな交通広告の中で、屋根付きの
バス停(シェルター)を無償で提供し、
その代わりそのシェルターで広告を実施
するというビジネスモデルを展開する
JCDecaux(ジェイシードゥコー)という
フランスの会社があります。
日本法人は、三菱商事の資本参加がある
ため、MCDecaux(エムシードゥコー)と
いう名前です。
(MC=Mitsubishi Corporation)
上記の無償提供されるバス停は、
という名前で、®マークがバッチリ
付いているところからも分かる通り
商標登録までされています。
何となくオシャレなこのバス停を
見たことがある人も多いのでは
ないでしょうか。
この、バス停における広告ポスターの
運用において、実績を長年積み重ねて
来た本国のJCDecauxが、デジタル
ポスターを完璧に仕上げるポイントを
まとめた調査資料を展開していたので、
それを簡単に紹介させてください。
消費者は、ポスター広告に
たったの2秒しか割いてくれません。
その2秒でいかに消費者の心を掴むか、
ポイントは9つあると言います。
非常に簡潔な言葉が並んでいて、
極めて明快な指針だと言えます。
ただ、その分、どのような意図が
隠されているかをもう少し詳しく
解説する必要があるとも言える
でしょう。
1.Demand attention.(注意を惹け!)
要は、目立て!ということです。
文字の大きさ、色、ロゴの配置、
そういった要素に注意を払い、
とにかく注意を惹きつけるのが
キモとなります。
たった2秒の勝負の中では、
詰め込めるのは最大3つまでです。
2.Be brand bold.(ブランドを目立たせろ!)
誰が広告しているのかを、
受け手が認識する必要があると
いうことです。
しかも、しつこいですが
たった2秒以内でです。
ブランド名はとにかく大きく!
更に、ブランドロゴは上に置きましょう。
下に置く場合に比べて20%もの改善効果が
あります。
3.Drive familiarity.(親近感を持たせろ!)
中長期にわたって広告の効果を
維持し、ブランドがより目立つ
ようにするためには、親近感を
持たせることが重要です。
馴染みのある場面を創り出し、
現実よりも少し明るいイメージで
アプローチすると、見る人に良い
影響を与えられるようです。
4.Deploy fluent devices.(手慣れた道具を使え!)
消費者の認知能力には限界があるので、
お互い手慣れたメディア経由での
やり取りが望ましいと言えます。
ただ、ここでいう「devices」が何を指して
いるのか、実は判然としません。
一旦「道具」と訳してみましたが、
ブランドキャラクター(ブランドを代表
するアイコン)を指している可能性が
高いと思われ、その場合は、消費者が
見慣れたキャラを一貫して使い続けよ!
という意味合いとなります。
かなり文字数が増えてしまったため、
後半は明日以降に持ち越しとさせて
ください。