エリエールよ、お前もか
大分前のエントリーになるが、
トイレットペーパーについて、
シングルとダブルの違いに
関する記事を書いたことがある。
ほとんどのメーカー/ブランドが、
シングルとダブルの両方を発売
しており、グレードの高いものは
シングル60m/ダブル30m、
一段グレードが落ちるタイプだと
シングル50m/ダブル25m、
というのが業界の慣行のように
なっていた。
もちろんはみ出し者は稀にいるが、
大手メーカーはほぼこのサイズに
落ち着いていたのである。
我が家で愛用しているのは、
大王製紙のエリエールか、
日本製紙クレシアのスコッティ
いずれかが多い。
手触りの良さを考えると、
エリエールに軍配が上がる。
とはいえ、どうしてもこれがいい
と言う程の愛着もないので、
コスパに優れるスコッティを
買い求めることもある。
最近になって、エリエールが
せこい手段に出た。
なんと、シングルの長さを、
60mから55mに変更したのだ。
上記に引用したエントリーで、
シングルとダブルの違いに
ついて書いた通り、
シングルの方がGSM(紙の密度)
の数値が高い。
純粋に、ダブルの30m×2=60mと
シングルの60mを比べると、
全く同じ長さになるのだが、
ダブルは2枚重ねる分、
紙の密度を薄くしてある。
なぜか?
基本的にはコストダウンである。
トイレットペーパーは、とにかく
大量生産・大量消費の典型とも
言える商材。
ほんの少し、紙を薄くするだけ
でも、製造量が半端ないので、
コストダウンによるメリットも
また半端ない。
今までは、60mシングルと、30m
ダブルの重さは、60mシングルの
方が若干重かったはずである。
これが、55mシングルになった
ことにより、恐らくほぼ同じ重さ
になったのではなかろうかと
推測している。
この手のコストダウンは、
基本的にはメーカー都合。
消費者にとってはいい迷惑だ。
恐らくは、直近で「新改良」と
銘打って「ふんわり感アップ」を
訴求した商品ローンチ時に、
シレッと仕様変更したのだと
思われる。
明治の「おいしい牛乳」が、
1Lから900mLに変更したときも、
ちょっとした話題になったことを
思い出す。
彼らの場合は、1割内容量を減らす
代わりに、パッケージの幅を狭く
して、子どもや老人でも持ちやすく
したというような「言い訳」を
したことで、かえって炎上に近い
状態を引き起こした。
1Lだと、多すぎて飲み切れない
家庭も多い、などという事情も
あるやに聞くが、まぁ実際は実質
値上げを狙ったものだと思われて
当然だし、ほぼ間違いなくそれが
真相だろう。
エリエールも、結局のところ
実質的に値上げをした格好だ。
世の中のどれ位の割合の人が
この変更に気付くのだろうか。
家計に細かい主婦・主夫の中には、
洗剤やトイレットペーパーといった
日用消費財にせよ、あるいは牛乳
などの飲み物や精肉などの食品に
せよ、「グラム当たり単価」、
「mL当たり単価」を逐一チェック
して買い物をするツワモノもいる。
しかし、あくまで私の感覚値に
過ぎないが、そういう容量あたり
単価を気にする人は、全体の2割
にも満たないくらいだろう。
値上げをしていくこと自体、
商品の価値を磨いた上で堂々と
行うのであれば、何も恥じること
はないし、むしろどんどんやる
べきだとも考える。
とはいえ、シレッと、できるだけ
分からないよう、悟られないように
姑息な感じで行われるのは、
ブランドに対する気持ちが一気に
萎える。
エリエールには良いイメージが
根付いていただけに、
「結局お前もか・・・」
そんな感慨を持たざるを得なかった
のであった。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。