【詩】桜
散る花びらが
君との思い出のようで
苦しくて
もどかしくて
花びらを掴もうとする
君との思い出を握りしめるように
だけど気まぐれに
舞って消えて行く
僕の気持ちなんておかまいなしに
ひらり ひらり
ひとつ ふたつ
満開の花たちが消えて行く
枝から花びらが離れて行く
みっつ よっつ
花びらが舞い踊る
気まぐれに僕に触れて落ちて行った
掴み損ねた指を閉じる
いつつ むっつ
新しい花びらが無数に落ちて行く
風に吹かれて舞い
足元へ落ちて行った
このまま僕もどこかへ
この花びらのように
「こんなんだから」
思わず漏れて笑った
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