最近、炭酸がおいしく飲めるようになった。
大人になるにつれて、大体なんでも
そつなくこなせるようになるんだ…
と、思い始めたのはいつからだろう。
中学生になった頃からだろうか。
足が遅くて、鬼ごっこが嫌いだった私も
それなりに走れるようになり、
裁縫が苦手で嫌いだった私も
それなりにできるようになり、
全然跳べなくて嫌いだった跳び箱も
それなりに跳べるようになった。
そんな私は、最近炭酸をおいしく飲めるようになった。
私にとって炭酸は、なぜ子どもに人気なのかわからない飲み物で、
運動をするような男子だけじゃなくて、
物静かそうな女の子の友だちでも
好んで飲む人がいるんだから、本当に何がみんなを惹きつけているのだろうかと一人で思っていた。
炭酸は痛いし、炭酸の泡が苦いし、
ぽんっ!ってなるのも怖いし、、、
私はクリスマスにおばあちゃんが買ってきてくれたシャンメリーを開けるときも、いつも部屋にこもって両耳をふさぎ、弟とお父さんが2人で飲んでいた。
けれど、アウトドアボランティアをするように
なってから、活動後に、あぁー炭酸飲みたいなぁーという気持ちになるときがある。
きっとこれって、あぁーお酒飲みたいなーの感情と同じものだと思う。
いまの私にとって、お酒はすぐ眠くなるし、
鼓動が早くなって自分の体じゃなくなるみたいなのが怖くて、ジュースの方が普通においしいのにと思ってしまうものだ。
でも、お酒を飲んだときの解放感を覚えているから、炭酸を飲んで一服したいと思うのかもしれない。
私は、大人になってお酒の味を知って、
炭酸をおいしく飲めるようになった。
この前は、カフェラテの苦さを知って、
ドリップコーヒーをおいしく飲めるようになった。
新たな世界を知って、それまで気づけなかった
ものの良さに気づけることがあるんだな。
なんだか、おもしろいな。
私はこれから社会人になったら、
どんな新しい世界に出会うんだろう。
大学生のいまは気づけていないものの良さに、
また新たに目覚めるのが楽しみだ。
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