見出し画像

フィンランド伝統のクリスマスランチへ

12月10日、ヘルシンキの西、エスポーを超えた辺りまでクリスマスランチに行って来ました。
12月を過ぎると、いろいろなレストランでクリスマスシーズン限定のランチメニューが提供されるのです。
うちでもクリスマスはフィンランド伝統のメニューを料理に取り入れたいので参考にできたらと思っています。

Majvik(マイヴィク)の歴史

今回行って来たのはMajvik(マイヴィク)という、100年以上も前(1908年)に、森に囲まれ風光明媚な丘の上に別荘として建てられたアールヌーボー様式の洋館です。
窓からは森や港が入り組んだ海が見えます。

窓からの景色。少し凍り出した海が見えます

政治家で医師でもあったアーサー・エドヴァルド・アフ・フォルセルスの別荘で、当時は大統領など要人も訪れていたそうです。

現在は結婚式などのイベントに利用されており、クリスマスシーズンはレストランとして限定オープンしています。
詳細は以下のサイトから。

歴史ある洋館でいただくクリスマスランチ

駐車場に車を停めると、そこから少し小高い丘の上に陽を浴びて輝く建物が見えます。

雪の積もる丘の向こうに浮かぶ洋館

歩いて向かうと、とんがり屋根のかわいいお屋敷が見えてきました。

オレンジと白が基調の建物
入り口に来ました

お店に入ったのは14時近く。(15時まで)
お客さんは遠くに見える1組だけのようで落ち着いており、厳かなクリスマスミュージックがゆったりと流れていました。
室内のデコレーションもクリスマス一色。
飾りも参考になります。

暖炉の飾り
クリスマスツリー
こちらでお待ちください

待っているとたくさんの食器を抱えたスタッフが通りかかり、ちょっと待ってね、とどこかへ食器を置いて戻ってきてくれ、席に案内してくれました。

アーモンドの入ったホットワイン(glögi)をいただきます

予約なしで来てしまい、本来は予約が必須のところを特別に入れてもらいました。
クリスマスランチは人気なので、期間中の予約はほぼ埋まっているとのことなのですが、この日は初日で予約に少しゆとりがあったのと、わたしたちが来たのが14時でお客さんが途切れたタイミングというのもあり、お料理もまだあるし良いでしょう、ということになったのです。
ラッキーでした!(予約しましょう)

ヘルシンキの美術館に収蔵作のある有名な画家Gallen Kallelaの湾の向こうからのMajvikを描いた絵画。わたしの席の上にありました!1911年の作品です。なんて贅沢な空間。

お店の方に、伝統的なクリスマス料理を知りたくて来ました、と話すと、
「うちはフィンランドの伝統に忠実なクリスマス料理が基本だから、うちを選ぶのは正解ね」と言ってもらえました。
日本のお節もそうですが、お客さんが毎回同じものだと飽きてしまうので最近はオリジナルや伝統料理がアレンジされた料理を出すお店も多いようです。

レストランの伝統的なクリスマスランチは基本的にビュッフェスタイルです。
飾り付けられたテーブルにお料理が並んでしました。

ブュッフェのテーブル。差し込む日差しが眩しい
別の角度から

前菜と魚料理

まずは前菜やお魚の料理をいただきます。

上段にサラダ、下段には左からサーモンテリーヌ、グラブラックス、クラブケーキ

盛り付けがあまり綺麗でなくて恥ずかしいのですがお料理の写真はこちら。

素敵な店内でいただきます
盛り付けたお皿

いくらのムース
グラスのカップに入ったお祝いに欠かせない魚卵のムース。サワークリームに玉ねぎやいくらが入っていて、食感がいい。

茹でじゃがいもとヘリン
正直、ヘリン(ニシンの酢漬け)をわたしはあんまり好んで食べないのですが、マスタード漬はハードルが低いので大丈夫だろう、と食べてみました。
じゃがいもに乗せて食べるのですが、これはとても美味しかったです。
レギュラーの酢漬けも後で食べましたが、これもいけました。
自分の好みとして日本酒と醤油があったらもうちょっと食べられます。。(おっさん)

ローストビーツと胡桃
赤いビーツはほくほくしてシンプルな味わいですが胡桃と食べることで歯ごたえやリッチさも加わります。

クラブケーキ
クラブ(ロブスターやザリガニの仲間)とクリームが食パンに何層にも挟まれたサンドイッチのようなもの。
日本でもよくある小エビのサンドイッチに似ています。

グラブラックス(サーモンの塩漬け)
フィンランド料理の中でも代表格です。こちらはレストラン手作りなのでしょう。スーパーで買うものよりしっとりして調味料のバランスが良いのか魚の甘さも感じました。

サーモンのテリーヌ
白い四角いテリーヌ。きめ細やかで口の中でスルスルっとほどけます。

マッシュルームサラダ
刻んだマッシュルームとサワークリームを和えたもの。

個人的にはいくらのムースとクラブケーキ、グラブラックスが特に美味しかったです。

肉料理

次にメインのお肉です。

レバーが苦手なフィンランド人も絶賛のレバーパテ

今回、一番食べたかったクリスマスハムです。

自家製クリスマスハム

アメリカでは七面鳥、日本ではKFCのチキン(?!)など、各国でクリスマスのメインのお肉料理は違いますが、フィンランドでクリスマスに食べるお肉料理は豚モモで作るハムなのです。

お肉を中心にして盛り付けたお皿

カブとにんじんのキャセロール
フィンランドのクリスマス料理ですりおろしたにんじんやカブに生クリームや米、麦などを混ぜて味付けしてオーブンで焼いたおかゆ?ポテトサラダ?のような食べ物。
とってもシンプルな食べ物で、わたしはご飯がわりにお肉と食べます。

クリスマスハム
ハムと言ってもよくサンドイッチに挟まってるような塩気の強いものではなく、豚モモの表面をマスタードやブラウンシュガー、スパイスなどでコーティングしてオーブンで焼く肉料理です。
お味はお肉の旨みを感じられる素朴な味わいでした。
少し甘いマスタードソースでいただきます。

レバーパテとカシスゼリー
レバーの中にお肉も混じった濃厚なパテで、カシスゼリーのフルーティさが良いアクセントになりました。

ラムのハーブロースト
とても柔らかく肉の臭みが全くないジューシーなローストでした。

Majvikのクリスマスソーセージ
ソーセージは何種類かありましたが一番オーソドックスなものだけいただきます。薄い両面の下には肉汁たっぷりの粗挽き肉が詰められておりハーブが香りました。

コンビーフとホースラディッシュソース
脂の少ない赤身のコンビーフで、馬肉かトナカイのハムなのかな?と初めは思いました。柔らかくコクがありホースラディッシュのソースと絡めるとさっぱりといただけます。

(写真には前菜でもいただいた、ポテトとヘリン、マッシュルームサラダが入っています)

個人的にラムのローストがお気に入りですが、クリスマスに作る料理のメニューを考えたときに、ラムはあんまりクリスマスって感じもしないかなぁ、と思いました。
フィンランド人のダンナもラムはどちらかというとクリスマスよりイースターのイメージと言っています。

クリスマスハムはシンプルですが柔らかく美味しいローストハムでした。
手作りのクリスマスハムの味を確認できてよかったです。
わたしのハム作りの模範にします!

レバーなど内臓系の料理は苦手なフィンランド人が多いのですが、こちらのレバーパテはレバーの臭みもなくお肉のような食べ応えもあって、レバーは元々好きな私はもちろん、ダンナも、お店のスタップも、「このレバーパテは美味しい」とイチオシのパテでした。

デザート

最後はデザートをいただきます。

デザートテーブル。食べなかったけどチーズやパンもありました。

この時点でかなりお腹がいっぱいです。
味見だけ、とケーキの小さなピースを二人でシェアしました。
コーヒーと紅茶もいただきます。

小さく切ったデザートをさらに2人で分けて食べました

ジンジャークッキー
Fazerチョコレート
チーズケーキ
ミルクプリンとプルーン

どれも美味しかったですが、ミルクプリンがお気に入り。
ただ、もうお腹がいっぱいすぎてちゃんと味わえず残念です。

お屋敷を探索!

こちらの洋館、普段はレストランではなくウエディングなどのイベントにも使われています。
わたしたちが食事をしている最中も、何人かの方が見学にいらっしゃいました。
クリスマスメニューのレストランは下層階のみですが、他の階も見学ができるようです。
お店の方にお断りを入れて見学に行きました。
アールデコのスタイルを感じさせる紋様やカラーリングが随所にありました。

ブュッフェテーブルの横に階段が見える
2階の様子。こちらもレストランで使っているよう
3階。とんがり屋根の下の丸い塔の内部
窓の景色
ベッドルームもあります
さらに上に続く階段が
4階に続く階段から
とんがり屋根の真下のお部屋
とんがり窓
天井内もとんがってる

来年からリノベーションの予定もあり、その後はホテルにもなるんだとかならないんだとか(うろ覚え)。
このお屋敷の近くには近代的な建物のホテルやイベントスペースもあり、いろいろな会議やパーティにも利用されているようです。

オリジナルのMajvikをイメージした近代的な建物か見えます。大きくて広い建物です。

おわりに

文化価値の高い歴史的なお屋敷でいただく伝統的なクリスマス料理、どれもとても美味しかったし、体験もとても素敵でした。
今年はもう予定はないのですが、いろいろなお店の表現するクリスマス料理を試してみたいです。

雪景色の中のMajvik

いいなと思ったら応援しよう!