みつける、つながる。
近所のお店を見てまわるのは、たのしい。
休日の朝は家の近所を散歩してウロウロしているんだけど、今の場所に引っ越しててからはまだ半年・・・と言いつつ「もう半年か」と相反する思いも含有した複雑な心情を抱きながら周囲をキョロキョロ見回しては徘徊している。
見たことのない建物や、意識しなくては視界にも入らないような高所に視線を移して歩くのが好きl。
今、ぼくが住んでいる地域は治安があまり良くないようで、1日中家に入れば5回はパトカーのサイレンを聞くことになるような場所なので、散歩しているぼくもいつ空き巣だと思われてもおかしくはない。
周りにはお金持ちらしき豪邸がいくつも建っていることもあり、いたる所で「空き巣注意」のステッカーを目にする。
もしかしたらぼくを目撃したパトカーのお巡りさんからすると、下見をしている空き巣に見られているかも。いつかぼくも職質を受ける日が来るのだろうか。
そういうの、嫌いじゃない。なんだかちょっとドキドキするよね。
もちろん空き巣のターゲットを探しているつもりなんてことはなくて、自分が見たことのない景色、気がつかなかった景色を探し当てるはなんだか好き。
自分のまだ見たことの世界や気がつかなかった世界がそこにはあって、もしかしたらそこを歩いてみていなければ一生それに行き着くことはなかったかもしれないでしょ?
それを見つけれられたというのは「ある種の運命だ」というのは大袈裟でも、ちょっと感動してしまうというのは本音。
そうやって日々、ささやかな新しい刺激を求めて散歩をしてるというのはぼくの人生の中でも貴重な体験の一つでもあると思っているけれど、もっとわかりやすい発見としては「お店」がある。
お店はその街の特徴を知る上ではとても重要だ。
元々住んでいた場所は典型的な田舎町で、大きなショッピングモールが点々とあった。地元に根付いたファミリーが週末になると車を出してショッピングモールに訪れる。
今の場所は郊外で、駅の近くということもあって飲み屋さんもあり、少し離れたところになると住宅街になっている。
感覚だけど、昔からこの地域に住んでいる人と移り住んできて新しく家を建てた人などが混在している印象だ。
そうすると、お店も同じように古くからずっとやっているお店もあれば、新しく建ったおしゃれなお店も混在していて、そのギャップのようなものがぼくにはとても新鮮に映っている。
今日は引っ越してきてからいつも気になっていた、持ち帰り専門のお寿司屋さんに行ってみた。
散歩をしている時もきになっていたんだけど、建物自体はかなり年季が入っていて初見ではなかなか入るのに勇気が要りそうだった。
何回かそのお店の前を通ったけれど、その度に地元の方と思われるお客さんが出入りしていたので人気店の様子。
Googleマップのレビューを見て納得した。
昔々、そのお店は近くのスーパーに入っていたお寿司屋さんだったそうで、そのスーパーが閉店することに伴って今の場所に移転してきたらしい。
老夫婦のお二人で経営していてリーズナブル。…という情報を事前に入手できるというのも今の時代の良いところ。お店みずからがSNSで発信していなかったとしても、信用しているお客さんがお気に入りのお店の様子をレビューで伝えてくれる。
お店としてやるべきことはSNSの発信に力を入れることではなくて、地元のお客さんのために確かな商品やサービスを提供して認めてもらうこと。
当たり前のようだけど、SNSでだけいい格好をしているお店が多いのも事実。
結局のところはSNSで自分のお店をよく見せていたところで、お客さんの評価が得られなければ逆に「期待はずれ」となってお客さんからの信用を失う羽目になる。
いろんなお店に行っていると、意外にもそういうことを理解していないお店があるような気がしている。
今日、初めて入ったお店はとても好感が持てた。
華やかなお店でもないし、店員さんが明るく愛想を振りまいているわけでもない。
おかみさんのおばちゃんはまさに「オバチャン」といった感じで、人によっては「ぶっきらぼう」と映るかもしれない。
ぼくにはそういう飾らない感じがこのオバチャンの良さだなとは思ったけれど、今の時代では誤解されやすいということもあるかもしれない。
寿司を握っているご主人はというと綺麗に剃り上げた頭に「ねじり鉢巻」という、昭和のアニメから飛び出したような「寿司屋の大将!」といいう佇まいで自然と期待が膨らむ。
その姿はむしろ自分からハードルを上げているような気すらしてくる。
取り扱うネタはウニやイクラといった高級食材ではなく、イカやタコ、サーモンなどの庶民的なもので、卵焼きはめちゃくちゃ美味しそうだった。
値段もとてもリーズナブルで、気軽に注文もしやすい。
ぼくは選択肢が多いほどに迷ってしまう優柔不断な性格なので、むしろ定番もので固めてもらっていると安心感すらある。
シャリが炊けたばかりで30分後に再び取りにくることにしてその場を後にし、後から歩いて受け取りにいった。
家から徒歩10分ほどの距離にあるそのお寿司やさんは、散歩がてらにちょうどいい。そこにいるのがご年配の夫婦というのもなんとも落ち着ける感じ。
今日は久しぶりに外も暖かかったし、歩くのも苦にならず行けたというのはとてもありがたかった。
帰ってから娘ともいただいたが、ぼくの目に狂いはなかった(笑)
定番ネタだったけど、どれも美味しく価格からしてもすごく好感が持てる。「これぞ老舗の味」ということだと思うけど、是非とも長く続いてほしい。
オシャレなお店も多いこの地区ではあるが、こういった普段使いができるようなお店があるというのもとてもありがたい。新旧入り混じったような今の場所は、どれも新しい発見があってまだまだ楽しめそうだ。
じゃあ、またね。
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