舞台Change the World
舞台「Change the World」を観劇!!
あらすじ等は書ききれないのでこちらを。
観劇前に原作を2回読んだ。初めに読んだ時はストーリーを追うことに必死だったけど、2回目に読んだ時は作品の見え方が変わった。
AI「アイコ」が鍵となる事件を追うストーリーの中、AIと対峙する「人と人とのつながり」を想った。
人が人として生きるためには、常に他者との関わりが必要で、その関わりを人は求め続けているのだろう。
という歌詞に思いを馳せつつ、劇場へ向かった。(この曲が26年前の作品ってホント?時の流れ怖い…そしてあまりにも色褪せない)
観劇。
様々な場面が怒涛に展開され、舞台の世界に没頭した。
映像、音、役者さんの声、表情、所作…全てが一つに重なる圧倒的な世界から、たくさんのことを感じた。
全ての人生は愛おしいこと
劇中では「例えば」というセリフの後、過去に起きたテロ事件や作中の渋谷テロ事件が表現された。役者さんたちが演じるのは、テロ事件の被害者となった一人ひとり。演じられた場面は事件のその一瞬だった。でもその演技は、事件にあった一人ひとりに、その日までの長い人生があったことを想起させるものだった。
人間誰もが一人ひとり、毎日を大切に生きている。そのことは何事にも代えがたい。誰もの人生は愛おしく、大切にされてほしいと願った。
生きていることは簡単ではないこと
ラストのシーンでは、主人公の世田が事件に関わる甥の未来に向かって叫ぶ。
バーチャルとリアルの境界線があいまいな世界では、生きていることを実感しにくいのかもしれない。それでも人は、毎日を必死に生きている。一日一日を紡ぎながら。
この一瞬に何かが起きるかもしれず、今この場に生きていることは決して当たり前ではない。だからこそ、当たり前ではないことを忘れずに、生きられることを大切にしたい。好きなものを大切に生きたい。そんな風に感じた。
人間だからできること
舞台上の世田が魅せた人間のさまざまな感情である「喜怒哀楽」。それらは全て、大切なものを守ろうとする人間のありのままの必死な姿に感じた。
なかでも甥っ子の未来へ向き合う時の世田は、明るく、やわらかく、人間味あふれていた。必死で目の前の未来と向き合おうとする姿があった。
そんな世田の姿は、未来が世田に対しては、ほかの大人とは別の感情を抱くきっかけになったことをリアルに表現したように思った。
世田の未来への想い、同僚の天羽や泉への想い。人が人を想う気持ちは、相手の心に届く。きっとそれは人間だから。その一つ一つは、世界を変える力となるのだろう。
恋人の手術が終わるのを待つ同僚泉に付き添おうとした世田へ、天羽が話した言葉。
明日から、仕事で残業しそうになる時の自分に問いかけようと思う。小さなことだけど。
自分の手の届く範囲の大切なものを大切にすることは、きっと何かを変えていく。
憂鬱な世界に差す光
舞台で一番鳥肌が立ったのは、舞台の主題歌である「ーあなたが毎日直面している世界の憂鬱ー」(以下セかユウ)が流れた時。
憂鬱な世界で生きるために甥っ子の未来が行きついたものは、AIアイコだったのかもしれない。
憂鬱な世界を変えるもの。私はSOPHIAファンだからきっとそう言ってしまうのだけど、セかユウという曲がこの世界にもたらす光。それは世界を変える力がある、とさえ思う。
圧倒的な力強いサウンドと『俺信じてんで?』と言い切ってくれる歌詞は、心を強くしてくれる。
前に進ませてくれる。
『神様聞こえてるんだ』という歌詞のとおり、強い信念を持って、これから進むべき未来に掲げるフラッグとして、SOPHIAがこの曲を届けてくれたこと。舞台を観劇したからこそ、その強い想いをより知ることができた。
私にとって世界を照らす光がセカユウでありSOPHIAであるように、きっと人それぞれに世界を照らす光があり、それがエンターテイメントの力であるとも感じた。
さてもちろん松岡充ファンとしては。
世田が魅せるいたずらっぽい表情にキュンとなったり、おもむろに駆け出す所作がカッコ良くてたまらなかったり。銭湯シーンに心拍数があがったり。セかユウを歌う(口真似だとは思うけれど)立ち姿の存在感に涙が出そうになったり。
とにかく魅力させられて、幸せな気持ちでいっぱいになった。
たくさんのことを教えてくれた舞台
「Change the World」ありがとう。