長崎の少年がキャスパー ・ ユンカーに出会った話
僕は地元・長崎にあるJリーグクラブ、V・ファーレン長崎を応援している。試合がある度にスタジアムに通っては、大好きなV・ファーレンの勝利を信じ一生懸命応援している。
大好きな選手は玉田圭司選手。元日本代表で、チーム内ではベテランの域ではあるが、技術は衰えておらず、そのボールタッチと華麗なゴールで僕たちを魅了している。
クラブはJ2リーグに所属しており、2017年以来のJ1リーグ昇格を目指している。2021年5月、当時チームを率いていた吉田監督が成績不振で解任され、アカデミーダイレクターであった松田監督が新しく監督に就任した。
それは、心機一転してJ1を目指すクラブを引き続き応援していこうと思った時だった。
①2021年 ユンカーに出会って
長崎とは関係のない、J1リーグ所属の強豪・浦和レッズに1人のデンマーク人FWが加入した。
その名も「キャスパー・ユンカー」
TwitterをしていてJリーグのいろんな情報を知っている自分だが、当時の自分はJ2にしか興味がなく、J1の知識は浅はかではあった。そんな僕がキャスパー・ユンカー(以下ユンカー)を知ったのは、浦和に移籍した1ヶ月後だった。
僕がユンカーを好きになるきっかけは、カッコいい外国人フォワードが浦和にいるとネット上で話題になったことだ。
先ほど触れた、長崎の玉田圭司選手。2006年のW杯でブラジル相手にゴールを決め、2010年には名古屋グランパスのJ1優勝に貢献。2019年に長崎に加入し、長崎での初ゴールは綺麗すぎるフリーキック。
そんな玉田選手を僕は2019年7月に好きになった。サッカーが上手いこともあるが、僕が好きになった最大の理由はただただカッコいいからである。僕は面食いである。
そして僕がサッカーで好きなポジションはFWである。サッカーで勝つためには点を決めなきゃいけない。最近ではポゼッショナルサッカーやゴールキーパーの守備参加など、あまり詳しくないがなんかそういうサッカーが主流となっているが、僕はガツガツ攻めるサッカーが好きだ。(そういう性格かも知らないが…)
僕は、チーム内で「点取り屋」と言われるような選手が大好きだ。
ユンカーはまさしくそういう選手であった。
浦和レッズ初戦のルヴァンカップ・柏レイソル戦で日本デビュー9分でいきなりゴール。
そしてJリーグ初出場の仙台戦であっさりJ初ゴール。
そこから4試合連続ゴールを決めている。
ホーム・湘南戦では記録にはなっていないが、5月の最優秀ゴール賞を受賞した、素晴らしすぎるループシュートを決めている。
たくさんゴールする選手、大好き。
しかし、天皇杯の富山戦、相模原戦ではゴールを決めているものの、6月20日のホーム・湘南戦のゴールを最後にリーグ戦では6試合無得点だった。8月25日のホーム・広島戦で久しぶりにリーグ戦で得点したものの、その後は天皇杯も含めて11試合2ゴールと、本調子ではなかった。
実はユンカーは怪我しがちな選手だった。彼は「グローインペイン症候群」という、脚の付け根周辺に痛みが生じる怪我を持っていた。キック動作を繰り返すサッカー選手になりやすい怪我だ。
怪我があっても浦和の勝利のために貪欲にゴールを狙うユンカーが大好きになった。
もう一つ、僕がユンカーを好きな理由として彼のTwitterがあげられる。
日本語でもツイートする外国籍選手は見たことがあるものの、彼は違った。
多分ここからユンカーがツイ廃になっていったと思われる。
一般の浦和サポのツイートを引用リツイートしているユンカー。
これは伝説のツイートになっている。ユンカーはうどん(麺類)が好きであることが発覚した。
怪我した時はポジティブツイートしたり。
彼はファンを大切にしていることがよくわかる。
こんな素晴らしい広告も見たことない。
その後浦和レッズは1-1の同点から後半アディショナルタイムに槙野智章選手の勝ち越しヘッドで天皇杯優勝し、ユンカーに出会った2021年が幸せに終わった。
ち・な・み・に・
自分はユンカーにいいねをもらったことが2回ある。自慢です。
本人にいいねもらうと嬉しいね。
② 色んなことがあった2022年
ユンカーを応援するのも2年目となった2022年。
ユンカーに関してはイタリア、アメリカ、中国、神戸、、色んなクラブから移籍の打診があった。神戸に関しては6億円オファーという、めっちゃとんでもないオファーが来たものの、断っていた。彼は浦和レッズに全てを注いでいた。
FUJIFILMスーパーカップの川崎戦、J1開幕のアウェイ京都戦、そこにユンカーの姿はなかった。
彼はその頃怪我をしていたと思われる。
彼が復帰したのはアウェイ川崎戦。しかし浦和は逆転負け。三カ年計画を掲げていた浦和は開幕ダッシュに失敗した。J1優勝は厳しくなったか…
その頃、僕は高校受験に臨んでいた。正直なところ、受験生はサッカーどころではなかったものの、1週間前まで普通にサッカーを観ていた。えぐい。3月5日、受験3日前、僕はユンカーの誕生日を祝った。
そして受験が終わり、無事に第一志望校に合格。恐らく定員割れが響いたのか。
そんな僕の合格祝いは、ホーム磐田戦のユンカーの今季初ゴールだった。相手がディフェンスに焦ってる間に、ボールを冷静に処理してゴールに入れた。芸術的ゴールを僕に見せてくれた。
天皇杯優勝により獲得したAFCチャンピオンズリーグ。(以下ACL)初戦のセーラーズ戦、ユンカーはいきなりゴールを決めた。
ここで気づいたのは、ユンカーは初戦に強い。J1リーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、そしてACL。全てのデビュー戦でゴールを決めている。クラブW杯の初戦でも決まればいいのにと思っていた2022年4月。
2022年5月18日。この日、ユンカーは伝説を作った。明治安田生命J1リーグ第11節浦和レッズvs横浜F・マリノス。引き分けが多く不調気味なレッズは前半だけで3点を決められ、後半を迎える。
後半開始2分、いきなりユンカーがゴール。岩波選手のロングパスに反応したユンカーが相手GKとの1対1を制し、ゴールに流し込んだ。
後半36分、2点目をゲット。岩尾選手のロングパスから松尾選手のヒールパス、そしてユンカーがゴールに流し込み。
そして後半44分。大久保選手のペナルティエリア内のドリブルからユンカーにパス。そしてユンカーはそれをシュート。そのボールはゴールに吸い込まれ、ユンカーはハットトリックを達成した。
浦和レッズvs横浜F・マリノスは3-3のドローで終わった。ユンカーのハットトリックにより勝ち点が0から1に変わった。引き分けが多かった浦和レッズにとって、この引き分けは普通の引き分けではない。勝ち点3に相当する引き分けだと感じた。てか普通に勝ち点3じゃね?
2022年5月28日。僕は浦和レッズを応援しに初めてアウェイ福岡戦に行った。長崎にとって福岡は近所だから、そこまで遠征感はなかった。スタジアムにつき、浦和レッズサポーターの威力に圧倒されるも、浦和の勝利のために共に全力で応援した。浦和はたくさん攻めるもスコアレスドローに終わった。
憧れの浦和レッズを生で見れて良かった
しかしユンカーはメンバー外。
終/著作・制作NHK
2022年8月25日。ユンカーは二つ目の伝説を作った。ACL準決勝に進んだ浦和は全北現代モータースと対戦した。
試合は前半早々松尾選手が決めるものの、後半に決められ、1-1で延長線を迎えた。
延長後半11分、試合終了まであと少しのところで逆転ゴールを決められてしまった。
絶体絶命の浦和レッズに一筋の光をもたらしたのはユンカーだった。
モーベルグ選手→酒井選手→大久保選手とボールが繋がり、明本選手がヘッドで合わせるも相手GKに弾かれる。しかしボールはまだ生きている。こぼれ球をユンカーが押し込み、スコアを2-2にした。
その後延長戦が終わり、PK戦に。PKのキッカーの選手、GKの西川選手、浦和の他の選手、スタッフ、旗で埋め尽くされたゴール裏のサポーター、埼玉スタジアムに来ていたサポーター、そして全国の浦和レッズサポーター、全ての想いが一つとなり、PKスコア3-1で勝利し、ACL決勝へ駒を進めた。
ユンカーがきっかけで浦和レッズサポーターになった自分は、全国の浦和レッズサポーターと一つになれたような気がした。
(次の日の朝、母から「寝言でThis is URAWAって言ってたよ」と報告された)
ところでユンカーといえば、無敵家である。無敵家は池袋にあるラーメン屋さんで、ユンカーが通っていることで有名。彼はチャーシューが1ポンドもあるラーメンが好きで、SNSでの広まりで色んな浦和サポが無敵家のラーメンを食するようになった。ユンカーがきっかけで、東京のラーメン店は浦和レッズのスポンサーになった。まさかユンカーが営業マンだったとは…。
その後、ホーム鳥栖戦、アウェイ横浜FM戦、親善試合のフランクフルト戦でゴールを決めたユンカー。
シーズン終了時にこんなツイートをしていた。
「来シーズンはもっと強くなって帰ってきます。」2023年は進化した浦和レッズのユンカーを見れる。そう思っていた。
③ 名古屋グランパス笑笑
ユンカーには移籍噂が多いが、その全てが嘘である。イタリア、アメリカ、中国、神戸移籍は破談になったりそもそも存在してなかったり。
ある日、名古屋グランパスへの移籍の噂が出た。「まぁユンカーは移籍せんやろ。Twitterでも残るみたいな発言してたし。どうせデマだろ。ソースはどこよ笑笑」
僕はそう思っていた。
しかし、今回の移籍の噂はガチなようだった。
日にちが経つにつれ、その噂の信憑性がどんどん高まっていった。「これはガチなやつなのかな?だけど公式発表があるまで嘘だから!俺は見たものしか信じねぇんだよぉ!!!!」
!?!?!?
なんやこの砂時計は!!
あぁーなんだ。はやく浦和レッズの開幕戦をしたいのかぁ。
意識高いねユンカーくんは笑笑
いいね!!
いや、ちょまてよ。
ヴィッセル神戸から北海道コンサドーレ札幌に移籍した小林選手。移籍発表前にユンカーと同じ、砂時計ツイートをしていた。
これやもしや…
( ゚д゚)
Σ('◉⌓◉’)
ほえぇぇ、、、
僕はキャスパー・ユンカーという選手が好きになって、浦和レッズを好きになった。
僕は浦和レッズのキャスパー・ユンカーが好きだった。
そんなユンカーが名古屋グランパスの選手になってしまった。期限付き移籍とはいえ、名古屋の選手になってしまったことはショックで仕方がない。僕は今後どうするべきか。ユンカーを応援していくのか。浦和レッズを応援するのか。
④ 2023年
僕の2023年シーズンが始まる。僕はV・ファーレン長崎と浦和レッズとギラヴァンツ北九州を応援する。(触れていなかったが、22年11月に北九州の試合を観に行って、北九州のサッカー・チームが好きになり、ギラヴァンツは僕の第3のクラブになった)
ユンカーきっかけとはいえ、僕は浦和レッズを大好きになった。浦和レッズの選手、みんなを魅力に感じた。2023年シーズンの浦和のユニフォームを買った。背番号は28。ユンカーと同じデンマーク出身の最強ディフェンダー、アレクサンダー・ショルツ選手のユニフォームを買った。
そして、僕はキャスパー・ユンカーを応援する。移籍しても、やっぱり僕はユンカーが大好きだ。背番号は77。かっこいい。
期限付き移籍だから、2024年には浦和レッズに戻ってくるかもしれない。しかし借りパクもあり得る。浦和サポとしてなるべく戻ってほしい。そのために、2023年シーズンは名古屋グランパスで大量に得点を取って欲しい。浦和戦以外で。
ユンカーがJリーグで輝く選手になることを願っている。
そして僕は、ユンカーと浦和レッズとともに、JAPANESE FOOTBALLを楽しんでいこうと思う。
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