人の話を聞かない奴になりたい
私は、年配の人が苦手である。
こんな書きはじめにしたら、めちゃくちゃ酷い人間にしか見えないなぁとドキドキしつつ、みんなに良い人と思われたいなんて気持ちもないので、正直に書いてみる。
私は、真ん中っ子ということもあるのか、年上でも年下でもある程度話せる。なんなら上の人は好きだからか、歳の離れた先輩友達も多い方だと思う。
だが、年配。つまりお年寄りは昔から苦手だ。
何度か耳を悪くしている私は、元々耳が弱いのだろうか。
お年寄りの言っている言葉が聞き取れないのである。
「言葉がわからない」というのは、私には恐怖なのだ。
なぜ話しているのか、どう反応したらいいのか、わからない。
聞き返しても、わからない。どうしよう。
それが理由その1。
理由その2は、どう返答してもお年寄りは喋り続けることだ。
私が言葉すら聞き取れていないのに、話し続ける。
私がわからない言葉がどんどん積み重なっていく。
まるで、ぷよぷよである。おじゃまぷよが落ちてくる。混乱する。
もちろん、全てのお年寄りがそうというわけではない。全てのお年寄りが苦手なわけではない。そもそも嫌いでもない。
程よい距離で眺める分には可愛いと思う。
ただこの、私が理解していないのに話が進む現象は居心地が悪く、なぜか怖さも感じる。
さて、一旦話を変えて、祖母と弟が話していた時のことだ。
弟は、祖母の言葉の意味ではなく単語から返答をしていたのだ。
よくあるあれだ。
という、会話が成立してる風で好き勝手話してるやつ!!!
私からしたら会話泥棒で話聞かないなと、話す気がなくなってしまうのだが、祖母と弟はテンポ良く話をしていた。
これか!!!!!
これがいいのか!!!!!
弟は、よく「空気が読めない」と言われるASDだ(補足:伝わりやすいので書いたが「ASD=空気が読めない」とまでは思わないでほしい、あくまで傾向である)。
でもこの空気の読めなさがいいのだ!
空気を読まない、言葉の裏を読まない、意図を考えない、気を遣わない、、、
だからこそ、祖母と気楽に会話できるのだ。
私はというと、祖母の言葉を聞き逃すまいと肩に力が入る。
そうして聞き取った割に、当時鬱っぽくなっていた祖母の言葉に何と返答したらいいのかわからずじまいだった。
最近気づいたのだが、人の話を聞いてないというか、半分聞き流してる人って結構多い。
私は元々人の考えや感情に興味はあるからか、話の流れに沿って会話をするような気がする。
なので聞き始めると止まらないこともある。ずっと聞き手だ。流れを変えるのも止めるのもしない。流れたものは流しておく。まぁ聞き流すこともあるけど、基本姿勢の話。
しかし、これをみんなにやっているととてつもなく疲れることが判明した。
仲良い人はそもそも話聞いてくれるんだけど…
苦手な人ほど話の激流を押し寄せてくる。まじか。仕事かよ。
しかしながらわかったのは、疲れる時はまともに取り合おうとしすぎだということだ。
苦手ならば余計に、テキトーに返せばいい。話半分でふざけた返答をすればいい。
そう、「こいつ話聞いてんのか?」と、思わせた方が良いということだ。
なんで私はめんどくさいと思いながら話を聞いていたんだ。
「この子は聞いてくれる」「いい子だ」
なんて思われる方が大変じゃないか!!!
しかし苦手になるほど、嫌いになるほど、口数が減る私。おそらく一旦いい子だと思われた後、反応が薄すぎて相手が段々離れていくのだとは思う。
だからまあ、今のままでもずっと困ることはそうそうない。
そうそうないが、人の話を聞かないで、好き勝手に自分が楽しめる話を始める奴になりたいなぁと思った次第である。
自分勝手をたくさん作って、たくさん楽しんで、たくさん笑う。
むやみに人を傷つけなければ、ワガママでいいと思うんだ。自分勝手でいい。
むしろ、自由気ままに私の楽しさのために生きていたい。
だから、人の話を聞かない奴になりたいと思った。