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『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』感想

「仮面ライダー」の映画ってほぼ毎年公開されてるけれど、毎年あらゆる工夫を凝らして少しでも面白いものを作ってやろうという気概は感じるのだけれど、結果として10点中の7点くらいの無難な作品だったなという感想にどうしてもなりがちというのが自分の中で強くあり、
自分は見に行かなくていいかなぁ」とパスすることがほとんどだった。
(一つ断っておくと毎年コンスタントに7点を出し続けることは本当に凄いことです)

なんだけれど今年の「ガッチャード」は何か様子が違う…!?

本編の年末年始(16〜18話)に登場した「ガッチャード デイブレイク」(未来の宝太郎)についての話ということで、「あの時もしデイブレイクが助けに来なかったら訪れていたもう一つの未来」がそこで明らかになるという触れ込みで、さらにあれから半年経って成長した現在の宝太郎たちが今度は未来の宝太郎を助けに行く…。
という内容になってるようで、例年以上に何か気になるフックがついている。何よりヲタクが大好きな内容っぽそうだ。
さらに「ガッチャード」本編も丁寧な作風と要所要所でサプライズを仕掛ける「観てる人を楽しませよう」という気概に溢れた作品だったこともあり、

これは期待していいのでは…!!??

と自分の中の直感が働いたので
『仮面ライダージオウ Over Quartzer』以来5年ぶりに観に行ってきた。



率直な感想としては予告を見て想像してた展開その通りの話をそのままの内容でお出しされたのであっと驚かされたりだとかそういうのはなかった。
「平成掃除機」だとか「平成バリア」だとかそういう方向性のももちろん無かった。
(ディケイドのサプライズ出演には流石に声が出たが)

いつもの仮面ライダーの夏映画だっと思う。

なのでもちろん点数の方も、

10点満点中の300万点!!!対戦ありがとうございました!!!!!!



??????????????????????????



いつも通りの、例年通りの普通の作品のはずなのに、何故こうも心にグッときたのだろう。

一つは映画の本筋の「ガッチャードデイブレイク」の物語の部分がよくできていた事だろうか。

デイブレイクが来なかったif世界の悲惨さが前半20分足らずでうまく描写できたし、特に右目を失った後の宝太郎の、今の世界線の宝太郎との細かな表情の違いが作品内で直接描かれてないところで一体何があったのかを察せられるのが良い。ここの本島純政氏の演技がとても上手かった。

そしてやはり未来の宝太郎がもう一度立ち上がる一連のシーン。

自分が本当にしたかったこと(もっとケミーのことが知りたい)=ガッチャを取り戻す
ケミーたちの声が聞こえるようになる
未来のりんね(ザ・サン)の声が届く
りんねの最期の言葉が呪いではなく祈りだと気がつく

という話の流れも良いし、ガッチャードデイブレイクの色がオレンジなのは
「宝太郎の自分が無力だったことへの怒り」から「りんねの『一緒に戦いたい』という祈りの体現(りんねの指輪の色)」
に意味合いが変わるのもよくできてる。
(色違いにここまで意味合い乗っけるの、マジ…??)

そして何より変身シーンだ。

その時の表情や声色が自分たちの知っているいつもの宝太郎そのものに変わるし、その後のグリオンとの戦い方も同様に、テレビで見るいつものガッチャードのそれになる。
ここのDAIGO氏と浅井宏輔氏の演技が本当に素晴らしい。(もしかしたらココだけ永徳氏かもしれない)

「一ノ瀬宝太郎の復活」を脚本、演技、映像の全てで描き切った名シーンだ。

味方の声援受けて勇気を貰い、もう一度立ち上がる」という創作で何度も見たありきたりな展開にここまで感動したのは初めてだった。

他にもカグヤの、士から自分が宝太郎たちと出会ったことで成長したことに気づかされ「仮面ライダーレジェンド」として一歩前へ進むというドラマもデイブレイク復活へのフリになってるし、先輩たちがケミーの力を借りて戦うシーンもクライマックスの
「人間とケミーが共に手を取り合ってガッチャードに力を貸す(応援する)」前振りになっている。
単にキャラクターに見せ場を与えるファンサービスだけになってないのも丁寧だ。

あとやはり小島よしおの存在も外せない

役所としてはクライマックスでみんなでガッチャードを応援しよう!と掛け声をかける所謂「ヒーローショーのお姉さん」ポジション。ただそれだけなんだけれど、
「仮面ライダーガッチャード」という作品の中で大きく出番を与えずとも自然に登場できて、作品の中の人物だけじゃなく観に来た全員を巻き込んで加治木と「がんばれ仮面ライダー!」ができるのは
20年以上「そんなの関係ねぇ!」で子供たちの前でお笑いを続けた小島よしおにしかできないだろう。それくらいピッタリと作品にハマっていたし、劇場内で思わず「ガンガンガンガン頑張れ!がんばれライダー!!」と一緒に応援したくなった。

ありがとう、小島よしお…!!!

まさか小島よしおに感動させられるとは夢にも思わなかった。
今後様々な映像作品が世に出ると思うが、「小島よしおに感動させられる作品」はこれ以外もう出ることは無いだろう。

シンプルで、ともすればありきたりな内容でも極限まで丁寧に誠実に作り上げると強く心に訴えかける作品が生まれる。
っていう当たり前が本当に気持ちが良い、そんな作品だった。

後作品内じゃないけどパンフレットの仕掛けもめちゃくちゃ良かった。

観に行って本当に良かった作品でほめに褒めまくっちゃったんだけど、一つだけ不満がある。


デイブレイク版のザ・サンのカードが現状11月まで待たないと手に入らないの本気で言ってるの!!!!!!!????????



追記

クウガ以来25年ぶりに変身ベルト買っちゃった。しかも2個。

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