トーマスといけない道徳
道徳科という教科がある。
道徳は昔は教科ではなかった。学校によって力の入れように差があった。しかし、道徳で学ぶべきことはどの子どもにも必要なことである。
道徳は2018年(小学校)2019年(中学校)に必ず学ぶべき『教科』となり、通知表に評価が記載されるようになった。
堅い!
何の話かというと、きかんしゃトーマスは道徳なのだ。
・トーマスが少しでも仕事に役立つ機関車となるために頼まれてもいない仕事をやりだす。
・ゴードンが慢心により、重大な仕事のミスをおかす。
・パーシーは臨機応変な対応ができず、己の無力さを悔いる。
・トビーは…トビーは何かしたっけな…
どの機関車たちも仕事の功績をあげて、上司(トップハム・ハット卿)から認められたいと思っている。功を焦るあまりやらかしたミスを機関車たちのチームワークで解決し、本当にたいせつなこを学んでいく。Oh、マッチポンプ!
トーマスたちは学ぶ。(やっぱりお願いされた仕事には理由があるんだ)(やってはいけないと言われたことをやってしまったからこうなったんだ)(本当に役に立つということはお客さんのことを考えることだったんだ)後悔と反省。
私たちは機関車たちのドタバタ劇を見て、己がなすべき役割があることを知り、仕事への向き合い方を考える。休日に見るにはなかなか頭が痛い内容であるのだ。社畜というか車畜というか。
トーマスはシーズン26が放送され、2024年4月からはシーズン27が始まるそうだ。
わたしはCG期しか知らない。そして個人的問題作はそのCG期末期に作られた。
答え合わせをしたのだ。
Aパート
↓
トーマスによるAパート解説
↓
Bパート
↓
トーマスによるBパート解説
という流れになった(はず…たぶん)
いつもどおり機関車たちのドタバタ劇がある。功を焦りミスをおかし、チームワークで解決。
一つの話が終われば解説だ。トーマスから丁寧にさきほどのドタバタ劇の反省点とどうするべきだったのかを説明する。
トーマス「そう、ゴードンは自分が偉大な機関車だと思いこんで初めての仕事なのにしっかりと準備をしなかったのが良くなかったんだね。」
…それ言っちゃうんだ!!
道徳の授業でたいせつなこと。それは主人公の内面を考えること。物語には表面的な出来事が書かれてある。その出来事をとらえて、その心情を考える。国語とは違う、答えはひとつではない。そこが道徳の面白さであるはずなのだ。
道徳の授業でやってはいけないこと、それは先生が授業の最後に答えを言っちゃうことなのだ。答えは一人ひとりの心の中にあるものだから。
どうしてトーマスはこのような『いけない道徳』みたいな展開になったのか?
もしかしたら、放送されている表面的な内容からたいせつなことを読み取ることが難しい子どもが増えてきていたのかもしれない。
良く言うと『はっきり言わなきゃわからない』
悪く言うと『「みなまで言うな」が通じない』
わたしは密かに気になっていた。トーマスから現代社会の課題が見えたような気がしていた。次のシリーズのトーマスはどうなるのだろう。
トーマス『いけない道徳シリーズ』が終わり、新シリーズが始まった。
なんとアニメ化!今までとまったく違う、もっと子ども向けのトーマスとなっていた。
うーん、これはどう考えたらいいのだろうか
どう考えたら…
うーん…
そのうち…わたしは…考えるのをやめた