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手指消毒薬はどのくらい手に取ればいいの?
※ この記事での「手指消毒薬」は、「擦式アルコール手指消毒薬」指すものとする。
データ① 手指消毒薬がどのくらいあれば手指全体に塗ることができるの?
・手指消毒薬による塗り残しは、1mLで7.1%、2mLで1.7%、3mLで1.0%。手の大きい人は3mLでも手指全面塗り切れない。
データ② 手指消毒薬が乾燥するのにどのくらいかかるの?
・アルコールは、一般細菌を10秒間で殺滅できる。⇒ 手指消毒に必要な手指消毒薬は、皮膚の上に残留している時間が少なくとも10秒を超える必要がある。
・手指に擦り込んだ手指消毒薬の量が多いほど乾燥までの時間が長くなる。3mL以上の使用で乾燥までに20~30秒かかった。
データ③ 手指消毒薬使用量と細菌減少率
・手指消毒薬の塗布量が多いほど、細菌減少率は大きい。消毒薬の種類によっては頭打ちとなることもある。
・アメリカのデータでは、手指消毒薬の量が1.1mLでは、塗り残しが多く、細菌減少率はFDAの基準に満たなかった。
・塗り残しを防ぐ方法のひとつとして、WHOの手指消毒の手技があり、多くの手指消毒薬メーカーでも同様の手技が推奨されている。
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データ④ 有効な手指衛生のために必要な手指消毒薬の量
・同じ量の手指消毒薬では、手が小さい人ほど、カバーできる面積が大きく、手指消毒薬の乾燥時間が長いため、細菌の減少率も高い。
・使用した手指消毒薬の量が「不十分だ」と感じた場合よりも、「ちょうどよい」と感じた場合の方が塗り残しの面積は少なかったが、それでも5%以上の塗り残しがあった。感覚的にちょうどよい手指消毒薬の量は少なめに見積もられている可能性がある。
・手指消毒薬の量は、乾燥までの時間=手指消毒薬が皮膚表面に接する時間に関連する。
(J-IDEO 2024 Vol.8 No.6)
<考察>
● データより、
・2mL以上
・乾燥に30秒程度かかる
・感覚的にちょうどよいと感じる量より気持ち多め
が適切な手指消毒薬の量の目安?
● 手の大きさや、どの資料の手技を参考にするかによって個人差があるため、目安に加えて調節が必要。
● 手指消毒薬のメーカー、剤形(ジェル、ローションなど)、ボトルサイズによって1プッシュの量が異なるため、最初に使用する時だけでも説明書きを読んでおくといいかも?