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湿布はどれを選べばいいの?


局所作用 第一世代

成分が3種類以上なのが特徴。カンフルやメントールで「刺激型」の冷感や鎮痛効果が期待できる。
冷シップ(MS冷シップ):サリチル酸メチル2% + l-メントール0.3% + dl-カンフル0.5%
温シップ(MS温シップ): サリチル酸メチル2% + l-メントール0.3% + dl-カンフル0.5% + トウガラシエキス + ノニル酸ワニリルアミド
 ※ 温シップに温める作用はなく、慢性疼痛などに対する使用感の問題。
GSプラスター:サリチル酸グリコール
・行政指導により、医療用医薬品の成分は3種類になったが、一般用医薬品で使用される成分は未だに30種類以上。
・過敏症以外に禁忌なし。

局所作用 第二世代

・成分が1種類なのが特徴。水分の冷却効果と薬物吸収による効果を期待できる「皮膚吸収型」
・カトレップ®(インドメタシン), アドフィード®, ヤクバン®(フルルビプロフェン), セルタッチ®(フェルビナク), モーラス®(ケトプロフェン), ボルタレン®(ジクロフェナク), ロキソニン®(ロキソプロフェン), ロコア®(エスフルルビプロフェン)
・第一世代と比較して、使用期間も第二世代の方が2~3週間短い。経口NSAIDsとの併用率も第二世代の方が低い。
モーラス®パップ・モーラス®テープは、妊娠後期には禁忌。他もモーラス®同様、過敏症・アスピリン喘息には禁忌。

パップ剤とテープ剤の違い

水を含んでいるのがパップ剤、水を含んでいないのがテープ剤。モーラス®の場合、10×14cmならパップ剤が10g、テープ剤が2g。
・パップ剤は水分で患部を冷やすことを目的として開発された。
パップ剤は、水分が揮発すると剥がれやすいため、動きの少ない部位に適する。テープ剤は、粘着力が強くかぶれやすいため、手首・足首・関節などに適する。
・パップ剤はテープ剤よりも皮膚浸透性が低い。
・添付文書上、モーラス®パップには相互作用の記載がない。モーラス®テープには、併用でメトトレキサートの効果増強の記載あり。

モーラス®パップXRの登場

・10×14cmのパップ剤やテープ剤(40mg)と比較すると、XRの1枚の成分含量は3倍(120mg)。
従来のパップ剤よりは水が少なく、重量も6gと軽い。そのため、水分による粘着力の低下が起こりにくい。

(大谷道輝(2017)『患者指導のための剤形別外用剤Q&A』南山堂)

<考察>

● 使用感には個人差があるので、目的、併用薬、処方医や患者さんの好みなどを基に決めることになりそう。
● 製品によって、添付文書上、1日1回のものと1日2回のものがある。湿布だからといって、1日に何回でも何枚でも使ってもいいというわけではない。
● 貼付薬であっても、NSAIDsなら胃腸障害は起こることがある。使いすぎには注意。


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