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暮らすように滞在できてママの不安に寄り添う 産前産後ケアホテル「ぶどうの木」レポート

みなさんは産前産後ケアホテルという存在を知っていますか?
ここ数年ひそかに注目されているママたちのためのリトリート施設です。
現在2歳児を育てるPIE広報が京都にある産前産後ケアホテル「ぶどうの木」に行ってお話しを伺ってきました。

産前産後ケアホテル「ぶどうの木」ってどんなところ?

“暮らすように滞在できる”がコンセプトだったブティックホテルを改装しているので、 ママもベビーも気兼ねなくゆったりと過ごすことができます。 客室以外にも、ご家族やご友人とお話できる談話スペースや24時間体制でベビーのケアを行うベビールーム、 ママ同士で交流できるラウンジ、エステやマッサージのための専用ルームなど産前産後ケアに特化した施設・設備も充実◎ さらに、パパや上のお子さまも一緒にご宿泊可能です。ぜひ新しいご家族との時間を大切にお過ごしください。

産前産後ケアホテル「ぶどうの木」ホームページより


産前産後ケアホテル「ぶどうの木」京都院

2022年6月にオープン。日本ではあまり馴染みがなく、東京近郊では見かけるようになりましたが関西ではまだまだ珍しい存在です。「ぶどうの木」ではホテルならではの快適な空間と、専門スタッフによる24時間体制のケアが受けられます。

・24時間ベビールームオープン
・24時間専門スタッフの常駐
・助産師、保育士による指導
・ごはん3食+おやつ2食の1日5食

<トータルサポートプログラム>
沐浴、足湯、産後の身体ケア、お子様のケア、授乳、助産師相談、各種体験プログラムなど。

産前産後ケアホテル「ぶどうの木」パンフレットより


京都院以外には都シティ大阪本町店横浜店があります。

基本4ヶ月未満の赤ちゃんが対象のため、PIE広報が「ぶどうの木」の存在を知ったのは子どもが1歳近くになってからで対象月齢を過ぎていました。正直もっと早く産後ケアホテルのことを知っておきたかったので、これから出産をむかえる方は選択肢の1つとして記事をご覧ください。




産前産後ケアホテル「ぶどうの木」は京阪本線「清水五条駅」より徒歩12分。修学旅行の定番スポットとして知られる三十三間堂や京都国立博物館からすぐ近くの立地で、東山方面の観光にも行きやすい場所にあります。外観を見ただけでは普通のホテルと変わりません。

産前産後ホテル「ぶどうの木」外観


ホテルの中に入ると1階に受付とラウンジがあり、宿泊中の方やご家族との面会でゆっくり過ごされていました。

1階のラウンジスペース


── オープンから2年が経ちますが、どんな方が利用されていますか?

長期利用の方はまずは休養ですよね。1週間くらいは休養にあててもらって、赤ちゃんを預けながら授乳の練習をしたり、ミルクの作り方やおむつの替え方とか沐浴の仕方など。パパが来る時に予約してくれればご家族で沐浴の練習をしたり、とにかくゆっくり過ごしてもらいます。

赤ちゃんのお世話をする助産師さん


インタビューを開始してすぐに赤ちゃんの泣き声が聞こえてきましたが、ホテル内ではそんなことは誰も気にしません。


産後ケアの醍醐味は出産してからすぐ来られて1ヶ月ぐらいの期間を利用されると、完全に体力の回復ができるので1番効果があるのかなと思っています。
中国の方は30泊が多い。中国は40日間ぐらい休むのが歴史的というか文化的になっていて14泊だと少なすぎてしまう。もともと水に触れてはいけないというのもあって、中国の方は絶対体を冷やさないし、食べ物は全部温かくしたり産後ケアがすごく進んでいます。


── 国によってだいぶ違うんですね!

韓国・台湾と中国本土は10年以上前から産後ケアが当たり前の世界で、利用しない人って多分いないんじゃないかなと思います。

── 東アジアの中でも日本は産後ケアが遅れているんですね。スタッフの中に中国語を話されている方がいましたよね?

そうですね。大阪・横浜店にはいないけれど、京都店には中国語を話せるスタッフがいます。

笑顔が素敵な受付の方


客室には中国語の表記も


── とてもアットホームな雰囲気で、海外の方も利用しやすいですね。

海外から来た旅行中の赤ちゃん連れの家族も利用されます。ベビーシッター付きのプランがあるのでベビーシッターとしてスタッフに預けたり、ベビーベッドの用意も自由にできるところが良いと思います。



── ぶどうの木(京都院)ならではの特徴はありますか?


京都院は11月から奥にある多目的スペースが使えるので、ゆったり過ごせます。あとは赤ちゃんの24時間預かりで追加料金がないところ。料金的な部分が大きいと思います。
料金が高いっていう人も多いんですけど、来られた方は「こんなに安くていいんですか?」って必ず言いますね。産後ケアを当たり前のものにしたいというスローガンがあるので、ご家族の宿泊は無料にしていますし、夜間の預かりも追加料金はなくて明朗会計です。食事は5食分(ごはん3食+おやつ2食)が含まれています。赤ちゃんのお世話とお母さんに関するものは全部含まれていて、着の身着のままで来られても泊まれます。

多目的スペース

本棚にはパイ インターナショナルの本も置いていただいています


── 宿泊中はみなさんどのように過ごされていますか?

本当に休養したい人は長期の産後ケアを選んでゆっくりされたり、赤ちゃんのことを学んだりして過ごされています。パパは週末だけ来たり、中には1ヶ月間一緒に滞在する人もいて、ここから仕事に行く人もいますよ。行ってらっしゃい!みたいな。

1〜2泊や3泊の短期利用は京都観光で赤ちゃんを預けたり、託児所みたいに預けてリフレッシュして過ごされています。
上の子がいる場合は赤ちゃん返りをすることもあるけど、ここにいる間は赤ちゃんを預けてママとの時間をたっぷり過ごして気持ちが満たされて、一緒に「赤ちゃんかわいいね」って言っていたり。

家族で泊まれるジュニュアスイートのお部屋


京都タワーが見えるお部屋もあります



──暮らすように滞在できるのと、上の子が甘えられる環境を作れるのも良いですね。パパ向けの講座というのはありますか?

ママからの要望で滞在中に助産師からパパに教育をして欲しいという声が1番多いです。おむつ替えや沐浴の仕方を教えたり、上手にできたらたくさん褒めてお家に帰っても積極的にお世話をしてもらうストーリーを作るお手伝いをしています。

ママから言われるよりも助産師さんに褒められることで自信がついてお家でも積極的に実践してもらえそうですね!

── ちなみに宿泊中のおすすめの過ごし方はありますか?

赤ちゃんを預けてパパとデートするのが1番いいですね。産後はホルモンバランスが乱れてそういう気持ちも失ったり嫌いになっちゃったりすることもありますから。2泊3日とか短期利用の方でもロビーで見かけたりすると夫婦で「この後あのお店行ってみない?」とかすごく仲良さそうにしていて、心の余裕が全然違いますね。

なんて素敵なエピソード!そんな心の余裕はなかったし、生後3ヶ月くらいまでのことは寝不足と疲労でほとんど覚えていないので羨ましいです(泣)



──赤ちゃんを預けることに抵抗がある人もいますか?

ここに来る前は「罪悪感があったんですけど…」とか、最初は泣いて預けられない人もいるんですが、赤ちゃんを預けてちょっと美容院に行ったりすると、今までの倍ぐらい赤ちゃんが可愛く見える。意外と離れるなんて大したことないんですよ。赤ちゃんの方はここで楽しそうにしてて、色んな人に抱っこされて慣れるっていう良いこともあるし、美容院から帰ってきて自分も楽しんで。自分が心身ともに元気になるってこんなにいいことなんだ!っていうのを初めて認識できると思うんですよね。預けることを申し訳ないとか悪いとか思わないで、預けたら元気になって違う恩返しができるのを覚えていってほしいなと思っています。

1〜2時間だけでも気分転換できると、赤ちゃんが可愛く見える現象はあるあるですね!時には自分の時間を持つことも大切だと思います。

足形アートを作る宿泊者

──最後にどんな方に泊まって欲しいですか?

全員(ママ)に泊まって欲しい。どんな人でも1回来てもらって自分のスタイルは何が合うか、贅沢でも何でもないから笑顔で元気で生きられるための1つの方法として産前産後ケアを体感しに来て欲しい。休むことがどんなに良いことかを知ってほしいです。



産前産後ケアホテルについて色々とお話しいただきありがとうございました!
出産後は退院したら初めてのことだらけで、授乳やおむつ替え、赤ちゃんの泣いている理由が分からなくて途方に暮れたり…安心して頼れる助産師さんがホテルに常駐してくれるのはとても心強いと思いました。

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