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湯考記

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湯考記(1-1)「老後までに1億円」

フランスの政治人類学者ピエール・クラストルは『国家に抗する社会』の中で「なぜ必要以上に労働するのか」という問いを立てている。未開社会の民族(クラストルがとくに念頭に置いているのはインディアンの諸民族)は、1日3-4時間程度しか働かない。しかも自分たちに必要な分だけしか働かない。「労働せよ」という国家社会の厳命を自分たちが生きる上で義務として信じ込んでいる西洋人は「インディアンは怠け者だ」と非難する

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