本:ルポ人口減少
新潟日報記者の方が長期にわたって、市内のさまざまな人を「人口減少」の観点で負ったルポ。
農業、祭り、空き家、鳥獣被害と、一見すると統一感のなさそうな要素を季節の移ろいと合わせて人口減少の観点で切り取って描かれていた。
キッチンカーの湯浅さんやたてよこ書店の堀田さん、かつての同僚のハンターなど、知っている顔も登場しており、どこか人ごとではないことを感じさせる一冊だった。
もちろん、人口減少は抗えない事実であるから、それをどう受け止めて、どう動いていくかが肝要なのだろうが、これまでに減少局面に相対したことがないから、「これまで」は通用しない。
私なりに次のことが今後の要点になるだろうと考える。
・各々が何をもって幸せとするかという、自らの幸せの定義をすること
人が羨むこと、世の人が幸せの形と思っていることが必ずしも自分の幸せであるとは限らない。自分が何者であって、何を求めているのかを考える。個人でも、家族でも、コミュニティでもここをおざなりにしない。
・満ちているところと、欠けているところを相補する仕組み化
物事を増やすリーダーシップは通用しない。ダウンサイジングと重点化、そして必要なのに不足している部分は補い合う。補うことは失うことではない。そういうマインドをもつ。
・結局、教育
上記二つを幼少の頃から経験しながら学ぶ。すると、地方で生きることは案外悪くないことがすぐにわかる。大人になってから学び直すのは大変。