
子どもは大人ほど白黒と判断していない【訪問:フリースクールロビオキ】
新潟市西区のフリースクールロビオキにお邪魔して代表の野口さんからお話をお伺いしました。
4年ほど前から開校しているフリースクールで、元々は塾だったところから軸足が移ってきたといいます。
大学などの外部団体と連携した活動などを展開している一方で、その活動に参加するかどうかの選択は子供一人一人に委ねられているように、学習環境を整えておくことと、本人たちが選択することを大切に進めています。
子どもが学校復帰したら、さようならではなく、フリースクールの通学と通塾費用を共通にしており、柔軟に行き来ができる設計になっていました。
高等学校に進学しても塾やフリースクールとしても利用できるし、その後も、という柔軟に子どもたちがアクセスできる場として機能していました。
また、子どものニーズがスクールの特徴と合致しない場合や、進学先の検討などの際は、一緒に行って面談をするなど、子どもにとって何がいいのかを丁寧に探りながら進めている姿が印象的でした。
横への展開
野口さんは新潟市のフリースクール等連携協議会の中心も担われています。
数年前に、親の会から声を届けようというところからスタートし、フリースクール同士や、教育委員会、学校など教育関係機関の連携を図る目的で設置されています。
フリースクールによって色があるがゆえ、大枠の話が中心になるとは言います。
それでも学校とフリースクールとの距離にアプローチできるのは紛れもない事実でしょう。
さて、野口さんになぜ、そうしたスタンスで活動するのかを伺ったところ、多くの子どもたちに可能性を示したいという思いがそこにはありました。
過去の情報によると、全体の3%に及ぶ不登校(傾向)の子どものうち、1割が市区町村の設置する教育支援センターにアクセスし、3%がフリースクールに通っているという報告があるそうです。
つまり、不登校児童・生徒の約90%はどこにもアクセスできずにいる可能性があるということです。
さらに年々不登校状態と言われる人数は増加しています。
90%にアクセスするには、まずフリースクールについて認知してもらう必要があり、そこが肝要だと言います。
一方で、フリースクールは収益化や事業化が難しく、継続性に課題があるそうです。
そういったことも鑑みて、社会からフリースクールがより認知される必要があるという思いで活動している、とお伺いしました。
自分だけでなく、自分の周りを含めて「自分たち」のために行動をし続ける意味を再度教えていただいた時間でした。