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色以下とポラロイドGIRL
パール兄弟の曲のことを前に書いたことがあるけど、その中でサエキけんぞうさんのことを勝手にサエキ師匠と呼んでいるって書いた。ハルメンズを聞いて衝撃、少年ホームランズを知り衝動、パール兄弟が出現して昇天。とにかくハルメンズと戸川純さんの歌うハルメンズの歌、サエキけんぞうさんの歌詞に衝撃を受けてから始まった。趣味の時代で突っ走り、母子受精に心奪われ、ふにゃふにゃサイボーグに涙した。そして少年ホームランズの若い衝動。年齢を重ね自由にレコードやCDを買えるようになってからパール兄弟の新譜が出ると買っていた。ある時そんなメジャーじゃないと思っていたパール兄弟が夕方のニュース時にかかった。新ファミリア系列のCMソング、色以下だった。私が広島にいたから夕方のニュースでよく流れていたんだろう。またそのCMのナレーションも微妙にサエキ師匠に似ていたような。もちろん豪華ピクチャーCDも買った。そして色以下を聞いてゴージャスでカッコいい曲で最高と思ったと同時に、歌詞にはすっきり霧が晴れるような、そしてとても深くてとても不思議な感覚があった。さすがのサエキ師匠だなとか勝手に妙に納得したりして。
年齢を重ねたある頃バブル時期というのもがあり、日本の音楽は裾野が大きく広がったと思う。バンドブームじゃないけど様々なアーティストの曲やアルバムが商品になり、それが多くの人に届いたことによって文化が広まった。今ならとてもリリースできないようなバンドがアルバムをリリースできたりして、そういうニッチな音楽を届けるバンドが貴重だったり。一見風変わりな人でも出さないと売れるか分からない。それ以前にそういう音楽を聞きたい人はどこか一部の場所じゃなくてもいたはずだ。その場所にいる一握りの人の為でもいいだろう。バンドが活動するのにも一定の量の支援者は必要だ。それは自ずと大都市になる。だがバブルという魔法でそれは全国の人々に届くようになった。もちろんそれは全てではないが少し待てばオンラインで発信できる時代にもなる。今はメジャーなリリースでなくても届けられる。その頃でも全国の大きい都市にはインディーもあったけど、それがバブルで全国に届いた。そんなことを思い出す。
そのバブルの頃たくさんの音楽がリリースされていた中、子供の頃から好きだった沢田研二さんの新譜がアナウンスされた。大アイドル、大アーティスト、大アイコン。そしてそこにはサエキ師匠の名が。そのアルバムには日本のロック、ポップアーティストが参加していて期待が高まった。沢田研二さんといえば、好きな曲はたくさんあるけどその頃は特におまえにチェックイン、晴れのちBLUE BOYなどが好きだった。そのジュリーが新譜でサエキ師匠の歌詞を歌う。これは聞かずにはいられない。そして彼は眠れないを買った。ジュリーを始めとして様々な才能が詰まったアルバムだった。そして聞き、印象深いのはやはりポラロイドGIRLだ。アルバムの表題曲は別にあるが、この曲がシングルカットされてるリード曲だと思うし一曲目なのでガツンとくる。作曲者はプリンセス プリンセスの奥居香さん。そして歌詞はサエキ師匠だった。このポラロイドGIRLの歌詞がまた王道ラブソングのようで、素晴らしいラブソングの中に沢田研二さんが歌うからこその歌詞のちょっとした遊び心とかあって好きだ。さすが師匠。ジュリーの歌唱もキマってる。
そしてバカなオレはある日ふと気づいた。多分ほぼ同時期に出ているはずのこの二つの歌の簡単な類似点。サエキ師匠は当時光学にハマってたのだろうか。なんて勝手に夢を膨らませたりした。しかし光学ということではなくても目という大切な五感の一つを機械に置き換えて考えるとハルメンズ的な香りもする。というかサエキ師匠の作詞だから脈々と根底にサエキけんぞうがある。当たり前だけどそれはジュリーが歌っても変わらずそこにある。色以下は王道ラブソングというよりも微妙な機微が色と光にミックスされているような本当に不思議な歌。色以下の歌詞を抜き出して強調し、よさを伝えたいのだけど全部がよくて抜き出すことなんてできないと気付いた。全部載せるわけにもいかない、著作物としても書いている情緒としても。だから聞いてみてください。
実はこれを思い出し載せようと思ったのは去年秋から始めたTwitterでのこと、サエキ師匠の声がジュリーと似ているというのを何度となく目にし賛同者もいたから。自分はそう感じないのだけど自分の耳のよろしくなさは分かっていて自分にとっては新鮮な見方だなと思い納得した。そしてこれを思い出したんだ。