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クリスマス前には 2021

今年も同じようにクリスマスがやってくる。特に私には何もないのだけれど、音楽はあふれ、街は華やかに変わり、関係ないけどそれに間に合わせるように近くにケンタッキー・フライド・チキンができるようだ。本当は七面鳥だけどね。音楽を聞いていると季節に関係なくクリスマスソングと出会ったりする。もちろんこの季節には必然的に出会ったりするのだけど。子供の頃からそれは変わらず、去年に続き今年もそんなことを思い、書いてみた。


Jingle Bells - Bing Crosby and The Andrews Sisters

誰でも知っているジングルベルだけど、正にアメリカという感じのクリスマスソング。そしてこの誰もが知っているクリスマスソングはビング・クロスビーとアンドリューズ・シスターズによるジャズカヴァー。前回にも書いた気もするが、我が家のクリスマスは決まってビング・クロスビーのクリスマスアルバムだった。父親が西洋好きでクリスマスを祝うというのも普通だった。その中でも軽快なこの曲にはうきうきしたものだ。今聞いてもジャズアレンジのファンキーな感じがとてもよく、ビング・クロスビーさんの軽快な歌、アンドリューズ・シスターズのゴージャスなコーラスにシビレてしまう。子供の頃からのインプリンティングかもしれないが、今聞いても最高だ。クラリネットのところも好き。


Looks Like December - アントニオ・カルロス・ジョビン

ボサノヴァそのものともいえるアントニオ・カルロス・ジョビンの愛の歌。クリスマスソングとして知られている落ち着いた曲。ボサノヴァ然としているわけではないのだけど、アントニオ・カルロス・ジョビンさんのギターが優しく響く。テ、キエロ、テ、キエロ。だ。そう言える相手でもいればいいけど。彼は有名な曲ばかりだけど、なのに中でもこの曲は比較的にはそうでもない。けれど、それでもこのやさしさに包まれる、そういうクリスマスを思うとほっとする。そんな曲、そんな印象だ。


White Christmas - ザ・ベンチャーズ

ベンチャーズのクリスマスソング。ビング・クロスビーさんじゃないけどベンチャーズもまさにアメリカって感じがする。そしてまたこの曲もアメリカらしいクリスマスソングだ。ベンチャーズによるオーソドックスなアレンジだけど、先ず前奏が好きだ。彼らのギターの音を聞くと骨まで柔らかくなってしまう。それほどまでに魅了されてしまうよ。ゴージャスな今の曲を聞いてると随分シンプルで少しチープに感じるかもしれない。でもこの潔さの中にスピリットを感じる、それがベンチャーズなんだと思う。


神の御業 - PIZZICATO FIVE

クリスマスはハッピーな人ばかりではない。そりゃキリスト教における記念日で祝いだからハッピーにいければいい。しかし現代の日本では特に宗教的意味はそうなく、ハッピーな人にもそうでない人にも同じくクリスマスはやってくる。現世に生活していると否応なしに入り込んでくるものだ。この曲はクリスマスソングではないけれど、この静かに過ごしてもいい日に厳かにも感じる曲調、田島貴男さんの静かな歌、そして小西康陽さんの曲が入り込んてくるのもいいと思うんだ。悲しく離れてしまう歌だけどクリスマスのような日にはそういう曲を聞いて過ごしたい。それは弱い私だからではなく、強くにこやかな私であろうとそういう日があってもいい。


What You Gone christmas instrumental - Saint Kitten

この曲は有名FPSゲームHalf-Lifeの派生としてリリースされたPortalというゲーム、その続編のPortal 2のエンディング曲What You GoneをSaint KittenさんがカバーしたEPの中にあるクリスマスバージョンだ。元々は劇中のGLaDOSというシステムの声(の人)が歌っているのだけど、PortalのStill Aliveも含め素晴らしいエンディングソングだ。ソングライターのJonathan Coultonさんに感謝。このバージョンとの出会いは、カバーしたSaint Kittenさんの事は知らず、愛すべきコンパニオンキューブのジャケットにジャケ買い、いいや、ジャケ選びをしてしまった。Saint Kittenさんはトルコの歌手でアコースティックな曲が多い印象と、カバーも多いみたいだ。この曲は幸福の中にも少し物悲しさもある感じだけど、それが元気なクリスマスソングになってやってくるような、幸福がふりそそぐようなアレンジで大好きだ。こういう曲をクリスマスに聞きながらソファーに座り、毛布でもかけて何かしらの映像でも見て過ごしたい。できれば好きな誰かとね。

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