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血の鳥
その鳥は羽ばたき
羽ばたく度
血が滴る
飛んでいるから
常に前を向いて
険しい尾根も
風に乗り風を切る
そしてまた羽ばたく
血
血を乗せて
血を落とす
鳥の目は鳥だから
何も訴えない
鳥は鳥だから
何も考えない
短剣
その鳥は悔しさを運んでいる
悲しみを
その鳥は苦しさを運んでいる
開放を
痛みを運んでいる
歓喜を
いらだちを運んでいる
鳥は飛んでいる
落としているのは血
丘を超えて光を目指した
目が眩む鳥は目からも血を流す
血の鳥の習性は血になること
日になること
飛んでゆく
だんだんと全てが真紅になる
ドロドロと
血の鳥は血の塊となり飛んでゆく
矢のように進んで行く
もうそこは白夜の目的地
血の鏃は一直線に飛んでいって
突き刺さる
白い楽園硬い土地突き刺さる血の鏃
血の鏃は次々と白く硬い楽園に突き刺さり
白い楽園はドロドロとした血の楽園へ
血の楽園はやがて冷えそしてまた活動が始まる
血の復活
ある日血の太陽から光が生まれる
光は白い鳥
鳥は血をたっぷりと抱えて発つ
何処かへ飛んでゆく
思い思いの場所へ
鳥は飛ぶ