ロッジ49 サウンドトラック#1
少し前にドラマのことは書いた。
音楽
そしてもう一つ、このドラマの特徴にはサウンドトラックもある。一話の最初からガツンとくるのですぐ気づいたが、これがすごくいいのだ。中でも多くフィーチャーされているのはThe Soundcarriersというイングランド、ノッティンガムの四人組オルタナ系バンドで、ほとんどのエピソードに一曲はあるのではないかと思わせる。そしてその曲はサウンドトラックらしくラウンジ風であったり、六十年代のロックを感じさせたり、もっとアコースティックに感じさせるフォークロック風でもある。そしてノッティンガムという地にはない海を感じさせたりもして、正にこのドラマの舞台のロングビーチを思わせるような感覚を呼び起こす。このThe Soundcarriersの曲は物語の広範囲にわたって何曲も使われていると書いたが、そのいくつかを中心に記したい。また、この物語のもう一つの音の象徴的なバンドにBroadcastがあると思う。感じも似ているが出身地もイングランドのバーミンガムと似ている。活動していた次期も。これらのバンドの曲がこのドラマを形作っていると感じる。ドラマでは彼らの曲は多分二曲だがどちらも素晴らしい。
一話
There Only Once - The Soundcarriers
ドラマが始まって最初に出会う曲、この曲とともにドラマが始まるともいえる。小気味よいリズムとボーカルとコーラス、特徴的なピアノのリフ、疾走感のフルート、ギターもどれもがいい。特にドラムやベースのリズムの跳ねるような小気味よさは大好きで、フルートもいい感じ。そしてそれらは多分生楽器だろうと思うけどとても響きが美しい。このドラマを印象付ける決定的な曲で外せない。
Mystic Brew - Ronnie Foster
アーニーが猫のケアと電話をしている時に少しかかる曲で、ジャズっぽいのだろうけど七十年代のフュージョンを思い起こさせる。通してオルガンがメインで、ギター、多分ウッドベースの響きが重厚でしっとり響く。ドラムは派手さはないものの上質に感じ、グロッケンかビブラフォンかの音が効いている。オルガンの乱れ咲は嫌でも気持ちを高揚させてくれる。そしてあのまぶしい頃を思い出すようなそんな曲。
Come On Let's Go - Broadcast
一話のエンディング。大好きな曲。ロッジという不思議な空間でダッドはアーニーとささやかな乾杯をする。そしてその後を暗示するような曲。サイケデリックな風味が効いていて、その感じがズキズキくる。歌の感じもとてもいい。この声だからいいとも思う。ベースの響きがとても刺さってきて心動かされるような。それも特徴かなと思う。一話の最初の曲とエンディングのこの曲でこのドラマにまいってしまった。
二話
Down PNX - White Fence
カッコいいパンクロック。リズの渋滞のイライラの場面だけど、カッコいい曲だけにそれだけじゃ物足りないなと思う。だけど確かに真夏の渋滞の時に流れたら別の意味で開放されそうだ。こういうほとばしる曲にはどうしても引き寄せられてしまう。
Sunlight Bathed The Golden Glow - Felt
ニューウェイブっぽい感じがガンガンしていてセンサーが反応しまくる。と思ったらFeltだった。昔のことで勘違いしてるかもしれないが、レンタルレコード屋に行きまくってた友達にニューウェイブが好きならと勧められた記憶。二話のエンディング曲。リズとダッドがもやもやの中日常を過ごす。そのギャップを感じさせる音楽。もやもやしたって時は止まらない。そしてこのバンドFeltもイングランド。
四話
Je M'appelle Geraldine (Up-Tempo) - Jean-Claude Vannier
ゲンズブールでも有名なジャン=クロード・ヴァニエさんということもあり、昔のフランス映画のサントラを地でゆくような響き。リズムの刻みが独特で引き込まれる。この曲は四話が始まった瞬間から眠れる体とともに不思議な時間が過ぎる。ダッドは過去スミスだった眠れる体と向き合い錬金術に思いをはせ、アーニーはロッジとスミスにまた。とても印象的で特徴的だ。
Journey To The Bottom - Ernie Hawks And The Soul Investigators
フュージョンはサントラに合うのか。いやジャズっぽいのもファンクっぽいのも一話のMystic Brewと同じだ。この曲はギターもベースもドラムもはっきりしていて、リードのシンセ?とホーンがゆったりした時を刻む。最初のリードがシンセだったとしてもアナログシンセ的な何かこう温かい、いやアナログシンセというよりももっと生の楽器に近い感じ。フィジカル音源のような。よくよく聞くと笛っぽい音でもある。また途中からは金管らしき音も入り多彩。ダッドとアーニーがロングビーチを車で流している途中、停車した信号でアーニーの古い友人で少し軽薄なバンスに出会った時にうっすらかかってた曲。場面の印象もそこでの曲の印象もそんなに強くない。
Because of You - The Baron Four
またまたイングランドのバンド、The Baron Fourによるガレージロック。イングランドな感じというよりもアメリカな感じ。とてもいい。六十年代の香りがプンプンするようなガレージロックで、まるでライブ録音のような生々しい演奏と録音。リズが店の駐車場でモップを使って槍対決をしたときに派手に流れる曲。リズのシーンではロックが多く流れる。
曲が多いので今回はここまでで#1です。でもまだ、もう少し続きます...