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子どもとオトナの境界線
オトナと同じモノを使う。
お店で若い子たちの動向をみているとオトナ・子どもの線引きって何だ?と考えることがある。
・小学生が大人用のレザー財布を買う。
・中学生の男の子がレディスのデニムを買う。
・高校生の女の子がスカートを買う。
この中でも特に小学生が使うものが変化してきていると感じる。
小学生とオトナであっても、使うものに境界線はないんじゃない?
そんなふうに考えさせられる出来事に出会うことが増えてきた。
答えが見つかったわけではないけれど、少し考えてみたいと思う。
ダサい服がなくなってきた
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小学生の子たちが着ている服に目を向けてみると、あきらかに最近の服はオシャレだと思う。(ここでのオシャレの定義は「カワイイーってくらいのゆるい感じで)
デザインもさることながら、生地の質も良いものが多くなっている。
流行りのファションがそのまま小さくなった状態で、
デザインや質もオトナと同じクオリティ。
わたしの子どもの頃30年前であれば、
「ザ・子ども」と言わんばかりのデザインのものばかりだった。
よくわからないクマのイラストやスポーツブランドのロゴ。
「昨日着ていたのとどこが違うの?」
とツッコミを入れたくなるくらい似たり寄ったりのデザインのものばかりだった。
それが今となっては、
「こんなデザインがオトナ用であったらいいのにな」
と思うくらいに小学生の着ている服がオシャレになっている。
買い場の境目もなくなってきている
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デザインや質で境界線がなくなってきたのと同じように、
子どものお店選びにも境界線はなくなってきているように感じる。
実際にあった、小学生が買い物をした事例を挙げてみたいと思う。
事例①
小学生高学年くらいの男の子が母親と兄弟と入店。
¥8,000円くらいのレザー財布をいくつか手に取っていた。
最初は「お父さんへのプレゼントかな?」と思って見守っていたが、
何やら選び方が真剣だ。
使い勝手が良いかどうかを開けては閉じてを繰り返して確認する男の子。
母親に「これに決めるわ」と言い、レジまで持っていき母親がお会計を済ます。
見た目はどうみても小学生。
男の子がじぶんのモノを真剣に選ぶ光景に、わたしは少し感動しうるっときてしまいました。
事例②
小学生高学年くらいの女の子が父親と入店。
店頭のマネキンにディスプレイしてあるスマートフォンケースの色違いはありますか?と問合せをうけ案内をした。
スマートフォン・鍵・お金が入る多機能のスマホケースを購入。
レザー製品で価格は¥7,000円。
「子どもには高すぎる」といった感じはまったくなく、
必要なもので、しっかり使えるものならOK。
そんな印象だった。
事例③
中学生くらいの男の子が母親と入店。
ファストファッションで買い物したようで紙袋を持っていた。
シャツやTシャツなどを購入していた様子。
当店で日本製(岡山)のデニムを試着して購入。
レディスの商品だがボーイフレンズの形なので男性でも着用できる。
どうやら「パンツはしっかりしたものを履きたいから」という理由。
価格は¥15,000円ほど。
親と一緒に買い物する光景をみていると、
「子どもは子どものお店で選ぶ」
が当てはまらなくなってきていると感じる。
この事実から何を読み取るか?
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どのケースをみても、小中学生が身につけるものとしては価格は安くはない。
ファストファッションでパンツを買い揃える子や、
スポーツブランドのナイロンでビリビリッとマジックテープをはがすサイフを使う男の子が多数派だろう。
しかし一方で、そこそこの価格を身につける子もいる。
「家計が裕福だから」と言う理由で納得することもできるが、
それだけではないようにわたしは思う。
価値基準と優先順位がおのおので違っているのではないだろうか?
現代はモノが溢れている。
ファッションならば、どこのブランドでも同じようなモノが流通していて、
目新しさのようなものはほとんど感じられない。
人と同じ。
人と似ている。
それを避け、じぶんだけのもので差別化を図りたい。
そんな自己表現の表れの一部ではないだろうか。
当然ながらYouTubeやSNSの影響は大きく、ジャンル問わずさまざまな情報に簡単にアクセスできる時代となったことも大きな要因だと推測できる。
もう一つは、優先順位のちがいがあるのではないだろうか。
今まで優先順位の上には「価格が安い」がきていたが、
「必要だからいいものを買う」が優先順位の上にきているように思う。
この必要なものの内訳には、「心地よいから」「利便性」などが含まれていることだろう。
・使って気分がよくなるから。
・使いやすい
・効率がいいから
これらの要素を含むものは、長期的に見ればじぶんへのリターンが大きくなることもある。
だからこそ、「価格」というリミッターがはずれ、
価格 < 価値 にフォーカスする人が増えたのではないだろうか。
どう変化していくのだろう
子どもたちの「買い場」と「買う目的」が変化してきている。
この事実をふまえ、販売の仕事をしている身として意識しておきたいことがある。
それは、購入のターゲットに小学生も含まれてるということ。
ブランドやお店のターゲットを設定する時、
年代だけで設定するのには限界がある。
年代ではなく、購入目的を軸にターゲットを設定していく必要があるだろう。
そうするとターゲットの幅がかなり広くなり、
今まで30代〜50代がターゲットだったところに10代も含まれてくる。
こうなってくると、
オトナ用・子ども用のしばりはなくなる。
この現象が急に広まって環境のシステムチェンジが起こることはないだろう。
しかし、子どもはいずれオトナになる。
そうなった時、
子ども用・オトナ用の境界線など存在しないものになっているかもしれない。
一個人の推測ではあるけれど、
10代の子たちの動向にはしっかりアンテナを立てておきたいと思う。