オカマに助けてもらった時のこと
中学生の時の精神状態は、今から考えると予想もつかないほともろかったなと感じる。
毎日何かがつらくて、ちょっとしたことに傷ついていた。
その日も、体がとても重く、何も連絡せずに景子の家にお邪魔したと思う。
どうしたの?なにかあったの?ときかれたけど、何も話せないほど気分が落ち込んでいた。
まあ、よくわからないけど寝たらどう?と言われ、手早くシーツを広げた景子は自分のベッドに私を寝かせてくれた。
ふんわりと上からシーツを被せられ、泣きながらそのまましばらく寝てしまった。
他人の家で、他人のベッドで気持ちよく我を忘れて寝てしまったのはそれがはじめてだったかもしれない。
それはもう泥のように眠ってしまったと思う。
私は昔は整理整頓というものが全くできず、部屋には時々ネズミが駆け回り、ゴキブリが体の上をはったこともあった(今はない)
しかし、景子の部屋はいつも整理整頓され、掃除機がかけられてベッドは常に整っていた。
自分の家以上にいつもくつろいでいたが、景子は呆れていたが、そんな自分を許してくれた。
眠りから覚めると、なんと景子はクレープを焼いてくれていた。
「おはよう!クレープ焼いたよ!食べて食べて!」
バターと砂糖がたっぷりかかっていて、私はうまいうまいと食べていると突然景子は吹き出した。
「あんた、よくもまぁこんなにバターと砂糖がたっぷりかかってるのに!」
そしてなんともおかしそうに
「これでデブまっしぐらよ!」
とケラケラと笑った。
なるほど、そんな下心があったのかと私はまた感心してしまった。