先生、息子をイジメないで
信じられない出来事を知ったのは意外な人物からであった。
息子ヒロは学校が終わるといつものように2歳年上の姉アナと元気良く外に飛び出して行った。何の問題もない明るくて優しい男の子であった。
二人が外遊びから帰って来た時、アナが私に言った。
「ママ、ヒロはキンダークラスに行ったんだよ。マイクに聞いたから本当だよ」
ヒロに本当?と聞くと頷きながら「ワタナベ先生が怖い。」ポツリと言った。
ヒロは学校で本読みが上手く出来ないという理由でワタナベ先生に常に叱られていた。そして1学年下のキンダー(ガーデン)クラスに放置されていた。その教室の端っこで一人ぼっちで本読みの練習をさせられていたというのだ。どうやらその出来事は1度だけではない。ヒロは先生に言われた通り一人孤独に年下のクラスで意味のない時間を過ごしていたのだった。
なぜ担任はこの出来事を親の私に報告しなかったのか?
無性に悲しかった。
そしてこのままではいけないと思った。
(次回ワタナベ先生の逆ギレに続く)