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苦みを味わう!サラダ感覚で食べられる「小松菜漬け」

こんにちは!「アマチュア漬け物研究家・漬けもナー」です。


人生初の 「スムージーミキサー」に挫折

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きっかけはいつも他人頼み

先日、お世話になっている先輩ご夫婦から、「スムージーミキサー」なるものをプレゼントでいただいた。

いつもオシャレなご夫婦は、僕が自分では買わないようなものを下さる素敵な方々。

特にマダムのほうは、ファンシーなアイテムやSNS映えしそうな洋菓子をよくおすそわけしてくださる。

今回も、僕には縁遠いと思われるチョイスで、新たなチャレンジのきっかけをもたらしてくれた。

憧れのオシャレライフへ

「スムージーね……せっかくいただいたし、これでオシャレライフにでも踏み出してみるかな」

今考えれば、思いがけないプレゼントに舞い上がっていたのだろう。

僕はその足でオススメされていた小松菜とフルーツを手に入れ、ウキウキ気分でミキサーに投入していた。

グラスはうちにあるなかでも一番オシャレであろうものを用意した。

緑色になった、いかにも健康に良さそうな液体がきれいに波打つ。

期待に胸を膨らませながら、いざ実食!

激苦健康ドリンクに心折れる


「ぐふっ!苦っっ!!!」

一口飲んだ瞬間、

ほとばしる容赦のない苦味。
そして、想像以上にドロドロとした食感に、自分が完全に調子に乗っていたことを気付かされた。

そして悟った。

これを美味しく飲める人たちだけが、いわゆる「オシャレライフ」を満喫できる選ばれし人種なのだと。

なんとかその一杯を飲み干すも、冷蔵庫には大量の小松菜。

 

よし、漬けよう


 頭を切り替えるのに時間はかからなかった。

 

漬け物は、余ってしまった野菜に新たな役割を授けてくれる魔法の調理法だ。
やはり漬け物は素晴らしい。


低価格・高栄養価!小松菜のポテンシャル 


そういうわけで、今回は「小松菜漬け」に挑戦してみた。


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小松菜は炒め物などで用いられるように、火を通すイメージが強い食材だといえる。

しかし、スムージーでも飲めるように、実は生でもかなりイケるのだ。

鉄分含有量第2位、カルシウム含有量第5位

栄養分の特徴としては、
・野菜のなかでも抜群と言えるカルシウム鉄分
・ほうれん草と同等のビタミンCとカロテン

が挙げられる。

独立行政法人「農畜産業振興機構」の栄養成分別野菜ランキングによれば、
こまつなは「鉄分で第2位」「カルシウムで第5位」の優秀なポテンシャルを備えている。

小松菜が「安い」理由

小松菜の大きな魅力は、なんといっても安定した価格だ。

スーパーに足を運ぶと、「なんでこんなに安いんだろう」と疑問に思うことも多いはずだ。

ほうれん草と比べると、体感としていつも1~2割くらい価格が安い。


実は小松菜が安いのには、「育てやすい」「栽培期間が短い」「収穫効率が良い」といった特徴が関係している。

なかでも、一年に何度も収穫できるのは小松菜の魅力だ。

低価格・高栄養価を両立させ、さらに下処理もいらない。

そんなわけで、昨今では学校給食でも積極的に採用されている。

小松菜を制するものが物価高を制す」といっても過言ではないだろう。


名前の由来

名前の由来は、江戸時代にまでさかのぼる。

8代将軍徳川吉宗が江戸川区の小松川村へ鷹狩りに訪れた際に、地元で採れた菜っ葉を入れたすまし汁が献上された。
そのあまりの美味しさに、地名にちなんで命名されたのが始まりとされている。

現在でも、江戸川区は東京都内で1位の収穫量を誇る名産地だ。

関東地方では冬を代表する野菜の一つとされ、炒め物や鍋物、チャーハンなどにも放り込まれる。

漬け物の素と鷹の爪の小松菜漬け

漬け物にするときには、「白菜漬け」「野沢菜漬け」などと同じ葉菜類の漬け物に分類される。

今回は、手軽に漬け物用調味液と鷹の爪で一夜漬けにしてみる。

とりあえず、一日放置して漬かり具合を待ち、そっと漬け物用パックの箱を開けてみた。
見た目にはほとんど変化がない。

切ったばかりのように鮮やかな緑色が食欲をそそる。

とりあえず少し食べてみて、浅いようならもう一日寝かせることにした。


一夜漬けのサラダ感覚が絶妙

「おー意外にもちゃんと漬かってるじゃないか!」

試食してみると、一夜漬けながらしっかり漬かっていることがわかった。
堅い茎の部分にもある程度味がついている。


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少し漬かりが浅い分、小松菜が持つ苦みがダイレクトに伝わってきて、ほかの漬け物にはない味わいがある。

青物独特の香りがしっかりと残っているので、野菜本来の特徴を楽しめるサラダ感覚に仕上がった。

もう少し漬ける期間を長くとると、苦みや青臭さはマイルドになって、より食べやすくなるだろう。

だが、なぜだかサラダ感を残した小松菜漬けの出来にはまってしまい、白いご飯とともにパクパクと……

塩味が強くない分、罪悪感なくお箸が進んでしまうのだ。


恐るべし小松菜。
スムージーではあれだけ驚かされた苦みも、漬け物ではなぜかうまさに直結するのが不思議だ。


スムージーは無難なヤツから試すべし

さて、スムージーにはすっかり挫折した僕。


「これはきっとビールの苦みみたいなもんだ。」

「慣れればオシャレライフを送れるはず」


そんなことを言い聞かせながら、次に先輩夫婦に会ったときの感想を必死で練るが、食べ物で嘘はつけない。


今後のためにも
僕には苦かったので漬け物にしちゃいました!

と明るくストレートに打ち明けるのが良いだろう。

なお、フルーツとヨーグルトのスムージーは普通に上出来だった。

どうやら小松菜は、普通のスムージーに飽きた上級者向けの材料だったのだろう。

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