無題
ベッドサイドにて、気の抜けたサイダーよろしく空っぽの胃を抱え、誰も口付けない肩や頬に生温い風を当てながら、瞼にいっぱいの涙を滲ませていた。あなたをよく理解し、適切なしかたで愛し、唯一の親友であり、無二の恋人であった私を、あなたは突如として信じることができなくなった。だから私はあなたの唯一の親友ではなく、無二の恋人でもなくなったのだった。あなたを理解することができず、適切なしかたで愛することは到底難しかった。あなたは、賢いやり方でその鉄条網をもって私を外へ追いやった。品の良いブラウスに、大きな鞄を抱えて、顔色は相変わらず悪く、ワインを飲んだ時にだけほんのり頬に赤みがさすほかは、青い顔か、ないしは白い顔でいることがほとんどだった。嫌味なことや中身のないようなくだらないことばかり話すし、無条件に誰からも愛されるような女ではなく、口紅はブラウン・レッド、どこにでも売っている綿のシャツにデニムを履いていた。大抵の場合、あなたはあまり美しくない。私もそうなのだ。
ただ、それでも旅は続く。そのように親友をうしない、恋人をうしない、形の合わないデニム・パンツに足を通して、少し心で泣きながら再び散歩へ出かける。