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野鳥

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野鳥についての雑記
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#野鳥観察

めじろの水浴びのお話

ヒヨドリは、庭の風呂場に毎日何度もやってくる。水浴びにやってくるのだ。鳥類きってのキレイ好きだ。 水浴びの前は、電線や庭の木にとまって、「ヒーヒーヒー!」と鳴く。水浴び宣言だ。 宣言を終えると、風呂場に一直線に下りて水に飛び込み、バシャバシャ! と派手に水しぶきを上げたかと思うと、すぐに風呂からヒョイと出る。そして、羽をワサワサワサッとふるわせて、羽全体に水滴をいきわたらせる。あるときは、その行動を何度も何度も繰り返し、ゆうに10分ぐらい入り浸っていた。長風呂だ。 その

リサイタルはもうすぐ

空が白み始める朝4時過ぎ、一番鳥が鳴く。いつも聞こえてくるのは、ヒヨドリの声だ。 ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒーヒーヒー! 音階は、「ミ、ミ、ド、ミ、ソ、ドードード!」だろうか。音感がないので何とも言えないが、だんだん音階を上げていき、興奮気味に歌い上げる。それを何度も繰り返す、朝っぱらから。その熱心さ、中高生の運動部の朝練さながらだ。 日中は、気つけばいつも、ヒヨドリが歌っている。そんなご近所シンガーを、我が家では「ヒヨちゃん」もしくは、「ヒー様」と呼んでいる。 最初は誰

スナックは水に浸して ~カラスの食事作法編~

カラスも行水をするだけなら、これほど嫌われることはないのだろうが、彼らも生き物だ。行水でお腹が満たされるわけではない。そこで手っ取り早く、エサにありつくためにゴミをあさる。 「ゴミの日」は、彼らにとっては「ごちそうの日」だ。朝の鳴き声も、いつになくご機嫌で、近所を縄張にしている「ヘェーッ、ヘェーッ」と鳴くカラス、通称「へぇちゃん」の声も、心なしかワントーン高い。 ゴミの日は、収集車が来るまでが勝負だ。ゴミ袋にネットがかけられていない、あるいはネットのかけ方が甘い場所は、絶

プラスチックより針金がいい ~カラスの作り編~

カラスは、春先に巣作りをはじめる。ある年、とあるつがいが、駅前の桜の木に営巣した。「ここならわざわざ花見に行かなくたって桜が楽しめるし、何より情操教育にいいのよ」なんて、メスにいいくるめられでもしたのだろう。 その巣をよく観察すると、針金ハンガーが使われていた。今やこのハンガーを使うクリーニング店は減りつつあるが、洗濯物を干すのに針金ハンガーを使っている人は、近所の物干しを見る限り、少なくないようだ。 何を隠そう(別に隠していないが)、我が家も針金ハンガーを使っている。タオ