いもとじゅんこ

関西在住。野生動物を見るのが好きです。遠い外国で、大きな景色を見るのも好きですが、普段…

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関西在住。野生動物を見るのが好きです。遠い外国で、大きな景色を見るのも好きですが、普段は近所の公園や小さい庭で鳥を見て楽しんでいます。ここでは、旅の顛末と日常を中心に書いていきたいと思います。書くことも好きなのだろうと思いますが、気分が乗らないこともあります、人間だもの。

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気分を上げたければ、スズメを見よ

庭にスズメがやって来る。植木鉢の受け皿に水を溜めて作った「小鳥用のお風呂」に、水浴びをしにやって来るのだ。その様子を、リビングの窓から覗き見るのが好きだ。 お風呂に入る前に「チュン!」と“水浴び宣言”をするスズメもいれば、お風呂の周りをウロウロして、なかなか水に入ろうとしないスズメもいる。おそらく、水浴びに初挑戦する幼鳥なのだろう。 羽が濡れると飛びにくくなるからコワイ。でも、入りたい――。そんな堂々巡りの末、そのスズメは、意を決してお風呂に飛び込んだ。 チャポン。 音まで

    • 葉っぱの水で水浴びをするメジロのお話(かわいいね)

      ヒヨドリは、庭の風呂場に毎日何度もやってくる。水浴びにやってくるのだ。鳥類きってのキレイ好きだ。 水浴びの前は、電線や庭の木にとまって、「ヒーヒーヒー!」と鳴く。水浴び宣言だ。 宣言を終えると、風呂場に一直線に下りて水に飛び込み、バシャバシャ! と派手に水しぶきを上げたかと思うと、ものの1秒で風呂からヒョイと出る。そして、羽をワサワサワサッとふるわせて、羽全体に水滴をいきわたらせる。目をキラキラと輝かせてほっぺたを赤くして、それはそれは幸せそうに見える。 ひとしきり羽をワ

      • めじろの水浴びのお話

        ヒヨドリは、庭の風呂場に毎日何度もやってくる。水浴びにやってくるのだ。鳥類きってのキレイ好きだ。 水浴びの前は、電線や庭の木にとまって、「ヒーヒーヒー!」と鳴く。水浴び宣言だ。 宣言を終えると、風呂場に一直線に下りて水に飛び込み、バシャバシャ! と派手に水しぶきを上げたかと思うと、すぐに風呂からヒョイと出る。そして、羽をワサワサワサッとふるわせて、羽全体に水滴をいきわたらせる。あるときは、その行動を何度も何度も繰り返し、ゆうに10分ぐらい入り浸っていた。長風呂だ。 その

        • 冬のスズメはふっくら膨れ上がってパンを待つ

          ひと雨ごとに寒くなる。 この日は北風が強く、ガラス越しに見る鎮守の森の木々も大きく揺れていた。 この強い風を、スズメたちはどうしのいでいるのだろうと思いながら、暖房の効いたパン屋のイートインスペースで、朝昼兼用の食事を採った。 ガラス越しに見えるテラス席では男性が一人、こちらに背を向けて電話をしている。 と、その向こうの生垣の根元に、スズメが2羽、ふっくらふくれあがって並んでいるのが見えた。 電話の男性が、パン屑をこぼしやしないかと期待しているのだ。 男性の電話は続き、パ

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        • 野鳥
          15本

        記事

          ツマグロヒョウモンのお話

          ある秋の朝、庭に出るとツマグロヒョウモンがひらひらと舞っていました。 ツマグロヒョウモンの幼虫は、スミレの葉を食べて成長します。 ですから、ツマグロヒョウモンは、孵化した幼虫が食べ物に困らないよう、スミレの葉の裏などに卵を産み付けます。 スミレかどうかは、前肢で葉っぱをたたく「ドラミング」を行って判断します。 前肢には化学物質を見分ける器官があって、いわば葉っぱの味を見ていると蝶博士に教えてもらいました。 庭にやって来たツマグロヒョウモンは、ハツユキカズラやツワブキをドラ

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          サルの世界にもジェンダーイクオリティの時代が到来

          高崎山自然動物園の雌ザル「ヤケイ」が、ボスザルや上位の雄ザルを押しのけて、新ボスザルに就任したそうです。 1953年に開園して以来、雌ザルが群れの頂点に立つのは初めてだとか。 どうやら、ニホンザル界にもジェンダーイクオリティの時代が到来したようです。 このニュースを聞いて、「101匹目の猿の話」を思い出しました。 九州の神島で餌付けされているサルは、砂の上に落ちた芋をそのまま食べていましたが、そのうち1匹のメスザルが芋を海水で洗って食べるようになりました。 その方が砂でジ

          サルの世界にもジェンダーイクオリティの時代が到来

          コガネムシの包容力

          駅に向かう途中の道端に、甕で水草とメダカを育てているお宅があります。 先日その中に、一匹のコガネムシを見つけました。 水から上がろうともがいていますが、細い肢では水をかいて前進することもできません。 同じ場所でひたすら肢を動かすコガネムシを救い出すために、人差し指を差し出してみました。 怖がられるかな、と心配しましたが、そのコガネムシは何の警戒心もなく、「渡りに船」とばかりに、人差し指に細い6本の肢を絡めました。 そして、キューッとしがみつきました。 「怖かったよう、死ぬ

          コガネムシの包容力

          うれしいコゲラは「ヒーヒー」と鳴く

          朝、近所の林のそばを散歩していると、ヒーヒーと小さな声が聞こえてきました。初めて聞く声です。 誰かな、と辺りを見回すと、コゲラが樫木をコツコツつつきながら「ヒーヒー」と言っていることに気づきました。 長雨が止んで涼しくなって、食べ物もおいしい季節です。 うれしくて「ヒーヒー」と思わず声が出たのかもしれません。 近頃、近所に暮らすよういなったイソヒヨドリの囀りは相変わらず軽やかですが、メジロの鳴き声は粒だって聞こえるようになり、エナガは家族総出で木から木へと飛び回るよういな

          うれしいコゲラは「ヒーヒー」と鳴く

          幸せなヒヨドリ

          鳥は、“水浴び派”と“砂浴び派”に分かれるそうですが、スズメは例外でどちらもやります。 スズメは、かなり長い間、水の中で翼をバサバサ動かします。中には、泳ぐように前進しながら水浴びをするスズメもいます。 一方ヒヨドリは、水の中にいる時間がとても短く、長くても2秒ぐらいです。 文字通り“秒”で水から上がります。 祖先は、水浴びをしている最中に怖い思いをしたのでしょう。 もちろん、“秒”でキレイになるはずはありません。 バサバサッと羽をふるわせて水気を切ったかと思うと、また

          幸せなヒヨドリ

          ハトやカラスは車を見るのが好き

          車に乗っていると、道路の照明灯にハトやカラスが止まっているのをよく見かけます。きっと車が好きなのでしょう。 小さい頃、田舎のおばの家に遊びに行くと、おばは必ず「県道に車見に行こか」と私を連れ出してくれました。ハトやカラスも、びゅんびゅん走り過ぎる車を眺めるのは楽しいのだろうと思います。 車だけではなく、人間そのものを見るのも楽しいようです。 とある工場では朝、従業員が集まってラジオ体操をする様子を、チョウゲンボウが屋根の上から眺めているそうです。たくさんの人間が同じ動きを

          ハトやカラスは車を見るのが好き

          シジュウカラに怒られました

          近所に、栗の木のある駐車場があります。 ある日、駐車場の西側を囲うブロック塀のそばを歩いていると「、シャーシャー」というヒナの鳴き声が聞こえてきました。 ブロック塀の中で鳴いているようでしたが、覗き込んでも何も見えません。でも、ブロックの穴を一つひとつ覗き込んでいる間も、ヒナはすぐそばで「シャーシャー」と鳴いています。 と、シジュウカラが血相を変えて飛んで来て栗の木の枝に止まったかと思うと、太いネクタイをあっちこっちに振りながらけたたましく鳴きました。 「シャーシャー」の声

          シジュウカラに怒られました

          スズメのほっぺ

          ニュウナイスズメを初めて見ました。ほっぺは白く、あっさりした顔立ちです。 一般的なスズメとの違いは、ほっぺです。普通のスズメのほっぺは黒いのです。そう、はっきり認識したのは、近所のパン屋で見た似顔絵です。 わたしは、そのパン屋のテラス席で、スズメにパンを与えながら食事をするのが好きでした。しかし最近、禁止令が出ました。 「スズメなどの鳥が、欲しがってもパンをやらないでください」 と張り紙が3カ所に掲示されたのです。さほど広くないテラスなのに3カ所も。すごい禁止ぶりです。

          スズメのほっぺ

          リサイタルはもうすぐ

          空が白み始める朝4時過ぎ、一番鳥が鳴く。いつも聞こえてくるのは、ヒヨドリの声だ。 ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒーヒーヒー! 音階は、「ミ、ミ、ド、ミ、ソ、ドードード!」だろうか。音感がないので何とも言えないが、だんだん音階を上げていき、興奮気味に歌い上げる。それを何度も繰り返す、朝っぱらから。その熱心さ、中高生の運動部の朝練さながらだ。 日中は、気つけばいつも、ヒヨドリが歌っている。そんなご近所シンガーを、我が家では「ヒヨちゃん」もしくは、「ヒー様」と呼んでいる。 最初は誰

          リサイタルはもうすぐ

          ゾウの糞を追いかけて

          まだ、温かい。遠くには行っていないはずだ。 刑事ドラマのようなセリフを、何度となくつぶやきそうになった。温かいのは、犯人が座っていたであろう椅子でもなく、飲んでいたであろうコーヒーのマグカップでもない。ゾウの糞だ。 実際に触ったわけではないが、轍に残されたゾウの糞は、見るからにフレッシュだった。たった今、ゾウの群れがボテボテと落としながら、ここを歩いていったのだ。 特殊部隊で過酷な経験を積んだ南西アフリカ(現ナミビア)生まれのA氏はある時、ゾウの糞を手でつかんで茶色がか

          ゾウの糞を追いかけて

          すべての装備を知恵に置き換える

          中央カラハリ保護区に入り、轍を頼りに車を走らせる。道の両脇にはアカシアやアフリカのバラと呼ばれる植物が茂って見通しは悪い。しかし、茂みが途切れると、今度は乾いた平原だけが地平線まで広がる風景を延々と見る羽目になる。まるで地球全体を平原が覆っているかのようだ。その広大さを目にすると、これが世界だ、と思えてくる。 今でこそ、この広大な砂漠には車道が整備されているが、40年ほど前は、道も何もない原野だった。A氏はその大自然に、10代の頃から親しんできた。 A氏のルーツは、オラン

          すべての装備を知恵に置き換える

          ~町のホテルよりも快適 ~中央カラハリのブッシュでキャンプ

          初のアフリカの旅は、南アフリカの都市・ラステンバーグから陸路でボツワナへ入り、セントラル・カラハリ動物保護区を車で北上した後、東へ向かって南下し、南アのラステンバーグに帰るという行程だ。走行距離はざっと2000km。これを6泊7日でやってのける。自分で立てた計画ではないから、どんな旅になるのか想像もつかない。 旅の始まりは関西空港から。香港経由で南アのヨハネスブルグへ飛び、ラステンバーグへは車で約200km。この町に、今回、ガイドを務めてくれるアーチーの家はある。 広い敷地

          ~町のホテルよりも快適 ~中央カラハリのブッシュでキャンプ