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野鳥

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野鳥についての雑記
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#自然

冬のスズメはふっくら膨れ上がってパンを待つ

ひと雨ごとに寒くなる。 この日は北風が強く、ガラス越しに見る鎮守の森の木々も大きく揺れていた。 この強い風を、スズメたちはどうしのいでいるのだろうと思いながら、暖房の効いたパン屋のイートインスペースで、朝昼兼用の食事を採った。 ガラス越しに見えるテラス席では男性が一人、こちらに背を向けて電話をしている。 と、その向こうの生垣の根元に、スズメが2羽、ふっくらふくれあがって並んでいるのが見えた。 電話の男性が、パン屑をこぼしやしないかと期待しているのだ。 男性の電話は続き、パ

ハトやカラスは車を見るのが好き

車に乗っていると、道路の照明灯にハトやカラスが止まっているのをよく見かけます。きっと車が好きなのでしょう。 小さい頃、田舎のおばの家に遊びに行くと、おばは必ず「県道に車見に行こか」と私を連れ出してくれました。ハトやカラスも、びゅんびゅん走り過ぎる車を眺めるのは楽しいのだろうと思います。 車だけではなく、人間そのものを見るのも楽しいようです。 とある工場では朝、従業員が集まってラジオ体操をする様子を、チョウゲンボウが屋根の上から眺めているそうです。たくさんの人間が同じ動きを

うれしいコゲラは「ヒーヒー」と鳴く

朝、近所の林のそばを散歩していると、ヒーヒーと小さな声が聞こえてきました。初めて聞く声です。 誰かな、と辺りを見回すと、コゲラが樫木をコツコツつつきながら「ヒーヒー」と言っていることに気づきました。 長雨が止んで涼しくなって、食べ物もおいしい季節です。 うれしくて「ヒーヒー」と思わず声が出たのかもしれません。 近頃、近所に暮らすよういなったイソヒヨドリの囀りは相変わらず軽やかですが、メジロの鳴き声は粒だって聞こえるようになり、エナガは家族総出で木から木へと飛び回るよういな

庭に小鳥のお風呂をつくってみた ~シジュウカラが常連になった編~

我が家には、猫の額ほどの庭がある。小鳥が来てくれたら毎日楽しいだろうと思い、水場をつくってみた。最初は誰も気付いてくれず開店休業の状態が続いたが、3ヶ月ほど経ったある日、帰宅すると、水場の周りの石がベチャベチャに濡れていた。 やっと来てくれた!一番風呂に入った鳥は誰?その日から、気配を感じるたびに庭を見ることにした。 やがて、シジュウカラが贔屓にしてくれていることがわかった。胸に垂らしたネクタイは黒く太く、立派なものだ。雄だろう。彼をシジュ夫と呼ぶことにする。 シジュ夫