青春時代 第13話
特に書くべき事もないので。
運命の県大会ですが。
結論から言うと、勝ち抜けられませんでした。
みんな精一杯頑張りましたが、あと一歩届きませんでした。
帰りの電車は最初はお通夜の様でしたが、途中から吹っ切れたのか、笑いが飛び交う様になっていました。
俺は一人ブラックホールの奥底から脱 出できませんでしたが。
そして、実は、ここまでの間に俺たちは高校二年生になっています。
そして、以前の部長達が最後の舞台を終えて去っていった様に、実はこの舞台が俺たちの最後の舞台だったんです。(高校二年生で部活は卒業します)
新しい一年生部員は何人か入っていて、中にリーダーにふさわしい奴がいるので、そいつを部長に任命する事は決めてました。
でも、問題はそこじゃ無いですよね。
そうなんですよ。
彼女と、もう部活で会うことができなくなるんですよ…。
さて、帰ってから恒例の卒業打ち上げが始まりました。
色々と思い出話しとか、暴露話しとかで盛り上がりますが、俺はひたすらダンマリを決め込みます。
本当はここが告白のチャンスなのかも知れませんが、不治の厨二病を患っている俺には告白なんぞできるわけがありません。
できるなら中学生の時、同じクラスだった間にサッサとしてますよ!
できないから今に至るんです!
周りが盛り上がっているのを隠れ蓑にして、ひたすら逃げ隠れし続けます。
そしてとうとう逃げられなくなった時、俺は必殺技を放ちました。
「ジャジャーン」
一冊の本を取り出すのです。
そしてそれをリーダー候補に渡して、ヨロシク〜!と言って、強制終了ボタンを押しました。
これにて、俺の演劇部人生、呆気なく終了なのです。
今までの話は何だったんだと思われるでしょうが、これが現実です。
心の中では、大泣きでした。
もう彼女との接点がなくなってしまいました。
自分で断ち切ってしまったのです。
え?普通に話せばいいって?
それができれば片想いのコミュ障なんてやって無いですよ!!
廊下ですれ違う時だってこんな感じです。
「あ、やば!彼女が向こうから来る!挨拶した方がいいのかな?どんな感じに?あ、もう目の前に!あ、あ、通り過ぎちゃう!なんて声をかければ?あーーーー!…………通り過ぎてしまった………オワタ。orz」
という事を考えていて、何の反応も出来ず、結果無視してしまったかの様な最悪の結果に。
これが、何回も続くもんだから、もう彼女からすれば、嫌ってるとか、怒ってるとか、わざと無視してるとか、そう思われてもしようがない状態ですよ。
こんなヘタレの俺にも、まだ神さまはチャンスをくれるのでした。
どんだけ神さま甘いねん。