青春時代 第3話
さて、先輩方が居なくなって気がついたけど、俺と同じ1年生は実は他にも居た。
超美人で演劇にも詳しいCさん。他にも演劇をやった事のあると言う女の子が二人、NさんとIさん。
アレ?俺以外全員経験者?
じゃあ、他の人が部長やった方がよくね?
って言ったら、ガン無視されたけど、色々とやる事を教えてくれた。
当面は学園祭で演じる劇を決める事。演劇部担当の先生にヌー先生と言う人がいるから、まずは話を聞いてきてと言われた。
何だか使いっ走り見たいだと思ったが、コレも部長の役目。しようがないから話を聞きに言った。
「あー君が新しい部長だヌー。まずは演目を決めないといけないんだヌー。学園祭でやる演目は、後々県大会でもやるから慎重に選んだ方が良いんだヌー」
なるほど、何故ヌー先生と呼ばれいるかはわかった。
じゃない。
学園祭の演目は県大会でもやるから、まあ俺的に考えるならインパクトや斬新さがあった方がいいかもって事か。
部室に戻ってから、先生に聞いたことをみんなに説明して、台本探しを始める事にした。
部室には結構な量の台本がある。そこを掘り起こせば、何か出てくるだろう。
みんなで手分けして台本を読み漁った。
アレやこれや出てきたけど、いまいちなものばかり。
それ以前にまず、現状を考えてもかなり厳しい。
4人しかいない。
そのうち1人は演出家として演技を管理する立場に着くらしいので、演技できる人数は3人しか居ない。
これでは面白そうな台本があっても、演じる事が出来ないかも知れない。
裏方だって必要だ。
舞台のセットを作ったりもしなきゃいけない。
結構大変なのだ。
ここはひとつ、部長として何とかしなくては。
と言う事で、友達(悪友)に声をかけて、手を貸してくれと頭を下げて回った。
何とか男6人は追加できた。
女子部員達にスゴく感謝されたけど、実は君たちをエサにして釣った何て口が裂けても言えなかったし、罪悪感が増すばかりだった…。
これでちょっとは台本選びも楽になるだろうと思っていたら、俺がいない間にいい台本が見つかったらしい。
昔の先輩が自作自演した作品で、何とミュージカル!
俺はそれを聞いた時、これだ!と思った。
インパクト、斬新さ十分!
後はやれるかどうか。幸い、曲や演奏、録音はなんとかなる。
自分でギターも弾けるし、キーボードも演奏出来る。マルチトラックレコーダーもある。
曲は作った事は無いけど、多分何とかなるだろう。
難点は踊り…かな?
振り付け師なんていないから、そこをどうするか。
一応、演出家をやるIさんが頑張ってくれるらしいので、みんなで話し合った結果、チャレンジしてみる事になった。
ストーリーは、人生に生きがいを見出せないアイドル歌手の女の子が、自由奔放に生きる誘拐犯グループに拐われて、感化され、おかしな共同生活に発展してしまうと言うもの。
配役発表。(演出家のIさんより)
◯アイドル歌手。
超美人のCさん。(まあ当然)
◯誘拐犯グループリーダー主役。
ピコ君(はぁ?なんで俺?)
以下省略。
この台本ではアイドル歌手とリーダーは次第に惹かれ合い、恋に落ちるけど、最後には別れると言う設定。(カリオストロの城のルパンとクラリスみたいな関係?)
しかし、この先思いもよらない事態が発生するのであった。