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心が離れる瞬間(agree to disagreeがわからない人)
出会った瞬間から近づきやすい人、そうでない人というものはいる。けれども第一印象だけで人を切り捨てることはない。あることに対する意見が一致すれば嬉しいけれども、別に意見なんて異なっていてもいい。どんな人にも、即断せずに、相手の主張には耳を傾けたい。意見が一致しても自分とはその理由が異なることもあるし、真逆の結論を持っていたとしてもお互いの前提そのものが異なるだけで思考のプロセスは同じということもある。だから、表面上の相違だけで人を判断することはしない。
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抽象的なことだと意図・意思が分かりにくいので、簡単な例を挙げる。
たとえば、私は栗が大好きだが、相手側は栗が大嫌いだったとしよう。
そういう場合、お互いに栗が好きな理由・嫌いな理由がある。私が好きな理由を話すのも、相手側が嫌いな理由を話す自由がある。そして、好きなものを嫌いになる必要もないし、嫌いなものを好きになる必要もない。お互いがお互いの考え方や感じ方があるからだ。
私が嫌なのは、自分が好きなモノやコトを、相手側の反対意見をまったく聞こうとしないで、相手側が一方的に間違っていると断罪?して、自分の好みに無理やり引きずり込もうとする人。そういうことが何度か繰り返されると、心を閉ざしたくなる。
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以前、こんなことがあった。泳ぐことが好きなので、毎日のようにプールに行っていたことがあった。
何回か顔を合わせた男性がいて、あいさつを交わすくらいの間柄だったのだが、ある日いきなり「AKBの中で誰が好きですか?」と尋ねられた。
もちろんAKBという存在は知っていたけれども、「よく知りません。興味もありません」と私が答えると、「じゃあ、何に興味があるんですか?」と言ったあとに、とうとうと「AKBの誰々が好き」という話を始めた。この人とは絶対無理!と私は思った。
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自分に興味関心があるものを話したい気持ちは誰しもある。けれども、必ずしも自分の好きなものや嫌いなものが他人とすべて一致するなんてことはまずないだろう。
命懸けで大切にしているものでも、なんとも思わない他人も当然いるのに、一方的に「こうあるべきだ!」みたいな話し方をする人とは離れたいと思ってしまう。
以前にも書いたことがあるが、「agree to disagree」という言葉がある。「合意できないということに合意する」。これができない人は話にならない。お互いの話を聞く前に、何が何でも自分の価値観を絶対視している人とは会話にならないのだ。
価値観や感性の多くが自分と合う人とは親密になりやすい。しかしそれ以上に、親密である人とは何を話しても聞いてもらえるという安心感があるから会話をしていてとても心地よい。たとえ意見が食い違うことがあっても「そういう考え方もあるね」って思えて、お互いの意見が違うことさえも話していてとても楽しい。
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