短編小説エッセイ| 海の家
(1)短編小説
むかーし、むかし、ある海辺に、二軒の「海の家」がありました。
仮に左側の海の家をA、右側の海の家をBと呼ぶことにします。
Aは「濃い味」のラーメンを、Bは「薄味」のラーメンを売っていました。
この海のまわりには、この二軒のラーメン屋以外にお店はありません。
しばらくの間、Aの海の家もBの海の家も、仲良く共存していました。
しかし、ふと、ある日、Aの店主は思いました。もうちょっと、右側に店を移動させて、少し薄目の味にすれば、Bの店を訪れる客を取り込むことができるのではないかと。
毎日少しずつ、海の家Aは海の家Bに近づいていきました。
Bの店主も同じことを考えました。もう少し店を左側に移動させて、味を濃い目にすれば、Aの店を訪れる客を取り込めるのではないかと。
毎日少しずつ、海の家Bは海の家Aに近づいていきました。
気がつけば、海の家Aと海の家Bは、となりどうしになっていました。
どちらの店のラーメンの味も、濃くもなく、薄くもない、なんの特長もない味になってしまいましたとさ。
(2)エッセイ
この話は、むかし、公共経済学の講義で聞いた話。うろ覚えではあるが。
右と左を「政党」に置き換えても、理論的には同じことが言えるのではないか?
右の政党は、左の政党を支持する有権者の票を奪いたい。左の政党は、右の政党を支持する有権者の票を奪いたい。そうすると、次第に「右」も「左」も歩み寄って来て、最終的には「中道」に近づく。あり得ない話ではないだろう。
実際に、どの政党が多数派になっても、あまり大きくは変わらないのではないかと思ってしまう。
私の住む町では、今月、市長選が行われる。どの候補が市長になっても、あまり変わらないだろうな、と思いつつ、多少悩む😞🌀。結局いつも最後は、直感頼みなのだが🌸。
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします