見出し画像

一語の宇宙 | 何か | something

「something」は「何か」という意味。

今回の記事では、文法的なことを書く。
英語ではいっぱん的に、名詞を修飾する「形容詞」は名詞より前に置かれる。

「新車」なら「a new car」のように、carという名詞の前にnewという形容詞が置かれる。

しかし、「何か新しいもの」と言う場合、new something とは言わず、
「something new」となる。なぜか?



限定詞とはなにか


英語には「限定詞」というものがある。
限定詞は、大雑把に言えば「数量」を表す言葉で、冠詞の一種のようなものだ。そして、名詞を修飾する場合、限定詞は、あらゆる形容詞の中で「いちばん最初」に置かれる。

代表的な限定詞には、「a」「an」「the」という「冠詞」のほか、「this」「that」のような「指示代名詞」、「my」「your」のような「所有代名詞」がある。「some」や「any」という言葉も数量を表すので、限定詞の一種である。


語順のルール


名詞を修飾する形容詞の並べ方は、(なんとなくの順番はあるけれども)基本的には自由だが、「限定詞」だけは、必ず前に置くことになっている。
換言すれば、
限定詞 + 形容詞 + 名詞
という順番は厳守される。


somethingという単語


「something」という単語は、
もともと「some thing」という二語だったものが一語になったもの。

「some」は、中学生の時は「『いくつかの~』という意味で、後ろには複数形が来る」なんて教えられる時もあるが、それはウソ。ウソというと言い過ぎかもしれないが、初学者に対して教える便宜上の説明だ。

「some」は、ハッキリした輪郭のないモノの「漠然とした量」を表す限定詞。
そして、「限定詞」なので、あらゆる形容詞に先立ち、いちばん前におかなければならない。

「something」が「some  thing」のように「二語」ならば、
「some  new  thing」と言っても良いが、一語である「something」の前に「new」という形容詞をおいて
「new something」と言ってしまうと、
形容詞修飾の大原則である
限定詞+形容詞+名詞」というルールを破壊することになる。

つまり、英語では、「形容詞+名詞」という順番のルールよりも、「限定詞+名詞」という順番のルールのほうが、上位にあるルールであるということだ。


一般則は、
「限定詞+名詞」と「形容詞+名詞」の2つ。

だが、
「限定詞+名詞」>「形容詞+名詞」


「some」と「several」との違い



補論 | 限定詞は2つ並べることはできない


冠詞(a, an, the)、数量詞(two, three, some, anyなど)、指示代名詞(this, that)、所有代名詞(my, your, his, herなど)は、すべて「限定詞」と呼ばれるが、2つ並べることはできない

私の友人のひとり」と言いたい場合、
「a my friend」とは言えない。
a friend of mine」と言う。
「mine」とは、「私のもの」という意味だが、ここでは「my friends」を指す。

だから「one of my friends」と言ってもいいが、たくさんいる友達の中のうちの(特定しない)「ひとり」と言いたいわけだから、
「a friend of mine」のほうが簡潔で、ニュアンスもよく表現できる。


「一語の宇宙」では、1つの英単語を取り上げ、1つのエッセイを書きます。
こちらのマガジンに収録していきます。


一般読者向けの語学マガジン

語学エッセイ集」は、英語だけでなく、日本語を含めて、さまざまな外国語の話題を取り上げます。


英語マニア向けマガジン

大人の英語講座」では、巷間に溢れる「英文法書」とは一線を画し、教科書・参考書には掲載されていないような「英文法」を掘り下げた記事を集めています。本気で英語を学習したい人のマガジンなので、「ハイブローな記事」が多いです。


#something
#一語の宇宙
#大人の英語講座
#語学エッセイ集
#英語がすき
#はてなブログ
#おすすめ英語学習法
#TOEIC満点を越えて
#英検1級の先へ
#山根あきら
#英語

いいなと思ったら応援しよう!

山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします