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コメディエッセイ | 「下から目線」
(1)「上から目線」が嫌い。
「上から目線」という言葉がある。いつ頃から使われ始めた言葉なのかは、よく覚えていないが、そんなに古い言葉ではないだろう。
私が学生だった頃は、「上から目線」という代わりに「見下すような」という言葉を使っていたと思う。まぁ、「上から目線」と言おうが、「見下すような」と言おうが、あまり気持ちのいい表現ではないのだが。
しかし、「上司と部下」「先生と生徒」という関係ならば、上司や先生が「上から目線」になるのは決して不自然だとは思わないし、「諭す」ということもあるだろう。下の立場にあるものが、上の者を尊敬していて、かつ、上の者が尊敬に値する人物ならば「上から目線」でもいっこうに構わないとも思う。
だが、あまり尊敬できない上司や先生が多かったから、「上から目線」が嫌いなのだ。
(2)「横から目線」。
「上から目線」のような垂直的な関係が嫌ならば、水平的な「横から目線」はどうだろう。
夫婦、恋人、友達同士の関係ならば、「同じ目線」の「横から目線」は理想のように思う。
でも、その一方で、いつも対等というのも、なんだかなぁ。
(3)「下から目線」もどうも。
「上から目線」がネガティブに響くなら、「下から目線」はどうだろう?
「私なんてあなたに比べたら、ガキのようなものでして…」
(自分のほうが上だと思いつつ)「いや~、さすがですねぇ~」
あまり下から来られても、それはそれでおかしい。
…結局、上も横も下も嫌ならば、1人でいるのが一番よいのか?
ずっと視線を気にし続けるのは、疲れるものです。
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