見出し画像

短編 | この交差点

 普段通らない道に車を走らせた。あれ、ここにセブンイレブンなんてあったかな?、と違和感を覚えた。記憶の糸をたどる。ココにはもともとなにが建っていたんだっけ?

 しばらくして思い出した。この交差点の一角にはサイゼがあったはずだ。
 確かいちばん最後にサイゼに来たのは5年くらい前。今はもう別れてしまったけれど、彼によく連れてきたもらったものだ。

 「私がお腹すいたね、どっかで食べていこうか?」というと、彼は考えあぐねた挙げ句、サイゼになることが多かった。
 ファミレスなんてたくさんあるけど、ロイホは高いイメージがある。ビッグボーイもいいけど、バイキングにすると食べ過ぎてしまう。デニーズもいいけど、親子連れで行くイメージがある。と考えると、サイゼはお値段の割には、ちょっと高級感がある。それに、現金払いが基本だからポイントを貯めよう、みたいなことを考えなくてもいい。私みたいな女の子を連れて気軽に行ける。安っぽいさもまったくないしね。

 信号待ちをしていたら、彼のことが思い出された。付き合うことはもうコリゴリだけど、家に着いたら久しぶりにLINEでも送ってみようかしら。


~おわり~


 最近、「サイゼ」の記事が多いな、と感じていました。
 楽しそうなので、私も書いてみました。
 飛び入り参加ですが、よろしくお願いいたします。




#サイゼ文学賞
#福島太郎さん
#ももまろうめこさん
#サイゼリア
#私の作品紹介

いいなと思ったら応援しよう!

山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします

この記事が参加している募集