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強すぎる数え歌



「ねぇ、あきら~、スワヒリ語で10まで数えられる?」
「ねぇ、あきら~、トルコ語で10まで数えられる?」

 いったん離れたら、また戻ってきて質問を繰り返す甥っ子に、「英語とドイツ語なら、言えるよ」と真面目に返答していた。

「ぼくねぇ、ドイツ語でも10まで数えられるよ」

「ほんと?じゃあ、言ってみて!」

「アインス、ツヴァイ、ドゥライ、フィア、フュンフ、ゼクス….」

「なんで知ってる?」と聞いたら、なんのことはない。「みんなのうた」を毎日聞いて覚えたようだ。

 あ、でも待てよ、と考え直す。毎日聞いていても、それを完璧に覚えてしまうのは、やっぱりすごいなと思う。


 今から思うと、もう遠い思い出だけれども、小さかった甥っ子も、来春には、修士課程を終了し、新社会人になる。

 結局、最初の引っ越しの手伝いの時に行っただけで、1度も遊びに行かないまま卒業することになりそう。せっかく赤門をくぐったのにね。

 君の親でもないし、あまりしゃしゃり出ていくのも嫌だから、遠くから君の門出を見守っています。元気でね。ずっと夢と希望をもって生きてくださいね。



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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします

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