Twitterから写した詩8 【詩】

新月の夜の桜の木の上には、女の人が腰掛けて微笑んでいる。私は挨拶をする。満月の夜の赤い鉄塔の上には、ハチワレの雄猫を抱いた少女が手を振りながら跳ねている。私は微笑み返す。大事にしていたペンタスに雪が降り積もって、枯れた。
海と空が交わった。夜と昼が一つになった。私は二つの月が見守る庭で黒い太陽を抱いて眠っています。
雲の上、鳴かない鳩と猫の神様を囲んで動物たちが音を立てずにお祭りをしている中、茶色い犬だけが騒がしく愛を配っていた。その愛に惹かれて、犬の心臓を抉りにやって来た彼は、女の人の姿をしていた。彼が犬の屍を連れて行くのを、兎の神様がスケッチブックに描いて、空に投げた。
三日月に乗った魔法使いの女の子が注ぐ水は森の中で水たまりになり三匹の蟹が穏やかに暮らしている。
盗んだ銀の小鳥の檻の鍵をあの子に返したら赤い薔薇の冠をくれた。獅子と鹿の眠る庭またひとりぼっち。
小さな便箋にしたためた最愛の人への恋文を鼠が齧っていく。捕まえては尾に火をつける。最後の一匹に、名前を付けてみよう。
浜辺で手を繋ぐと、色の無い世界に原色の光が煌めく。笑顔を見せ合ったのは、それが最後だった。
あなたは何も無い闇黒を前に、佇んでいる。青い提灯を持って、あなたが来るのを、待っています。
未来をあげるので哲学を下さい。時計の針を動かす罪を犯します。過去を溶かすので笑って下さい。
ガラクタの蝶々が、かつて愛されながら読んだ絵本を一つずつなぞって、「人だった頃の思い出」と付箋を貼って、沼に沈めた。狼がその蝶々の羽を、毟った。私は蛙たちの墓のそばに、その子を埋葬した。
橙色のダッフルコートを着た幼い少女のような姿のその人と手を取り合って喜ぶ。今日はお祝いの日。誓いを立てよう。抱擁のあとにガーベラを差し出されて受け取ると私は氷の刃でその人を斬り裂いた。何度も斬り裂いた。愛しています。愛しています。愛しています。

飛ぼうよ。

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