睡蓮

Twitter : @soudentou_ 詩や短歌、すごく短い物語や小説のようなものなどを書きます。またTwitterに書いたものをあとから纏めてここに載せたりします。日記や恋やごはんの話もします。

睡蓮

Twitter : @soudentou_ 詩や短歌、すごく短い物語や小説のようなものなどを書きます。またTwitterに書いたものをあとから纏めてここに載せたりします。日記や恋やごはんの話もします。

マガジン

  • 【詩】【短歌】と題したもの。ポエム。現代詩。定型詩。自由詩。

  • 今日のご飯

    【今日のご飯】と題した、たまに書くご飯の話。自分で作ったもの。おうちごはん。

  • 物語

    【小説】【短い小説】と題したいろいろな長さの物語たち。小説。(超)短編小説。掌編小説。ショートショート。

最近の記事

Twitterから写した詩10 【詩】

海月になりたいイルカたちが魚を食べている 麗しい人魚たちが海の砂を奪い合い 底をついた 光の届かない場所で上を見ているあなたの目は丸くて輝いてる 新しい王様に会ったとき また痙攣してしまうの? 名指して 笑ったって消えないよ 愛した人を殺すんだよ 私は男と女のおもちゃ。性のおもちゃ。屍たちに美しく飾ってもらって、逆さまの小さな庭で、すてきな音楽に合わせて笑いながら踊る虚無の国の姫です。 彼女と私は、互いの後ろをゆっくりなぞり合っていった。誰も知らない秘密を持ち寄って籠の

    • Twitterから写した詩9 【詩】

      未来の呟きはさながら星屑のように想い人へ降り注ぐ。きれいなものを拾ったと、あの子たちがささやきあう。 外に出て月を見てきた。緑色の風に乗っていろんな動物が飛んできて頭の後ろにぶつかった。 今夜は切ない。 殺した子猫たちが帰ってくる。今夜は酒盛り。 わたし鳥だったんです、誰にも言ってはいけないことだけど。送電塔から手を離したら、猫と一緒に青空まで落ちてしまう。嬉しくて、悶えてしまう。きっと雲にも月にも手が届かなくて、太陽まで落ちてしまう。人間は飛べない。 今夜も君が死ぬ

      • 黄色い猿の首(1) 【小説】

         十六歳の夏。最初に入れられたのは、女性病棟の個室だった。関東の郊外の、都会ではないけれど完全に田舎とも言いがたい微妙な都市の一角に建つこの精神病院の閉鎖病棟はコの字型をしていて、真ん中の共用スペースを境に男性用、女性用できっちり分けられていた。個室はそれぞれに一つずつしかなかった。そこに入った。  個室の扉には強化ガラスの小窓がついていて、外側に掛けられたカーテンで遮られている。鍵もあるけれど病院スタッフの持つ鍵でしか開け締めできない。つまり外から物珍しげに見物に来る人た

        • さよなら朱音 【小説】

           かつてある町に、朱音(あかね)という女の子がいました。これからあなたに聞いて貰うのは、その女の子の話です。  彼女はわたしの、同い年の大事な姉妹です。昔、朱音のパパとママに養子として貰われて以来、仲良く一緒に暮らしてきました。そして今彼女は、行方が分からないのです。  わたしは長い間、なんとか居場所を突き止めようと探し続け、そしてある時、森の奥で一冊の絵本を拾いました。中身を読んでいる内に、これを彼女を探し出す為の手引書として用いなさいと、森が囁いていると感じました。  そ

        マガジン

        • 11本
        • 今日のご飯
          2本
        • 物語
          5本

        記事

          にくまん御膳 【今日のご飯】

           Twitterを眺めたり、愛人の家に泊まったりしている内に穢れて、お腹が空いた。月の夜、寂しいから、二十四時間営業のスーパーまで行く。下から、ガウチョパンツ、膝下丈のワンピース、膝丈のワンピースと三重に重ね着したような部屋着に、更にセーターとコートを被せてだるまになり、出る。  お金はない。でも今夜は奮発する。  スーパーに着く。人がいてうれしい。  強く習慣づいているので割引シールを探して、値札を見る。肉が、肉がくいたい……と呻きながら割引シールの無いローストビーフを

          にくまん御膳 【今日のご飯】

          わたしと友達のこと 【雑感】

          (※この記事には、桜庭一樹の二つの小説「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「ファミリーポートレイト」と中山可穂の一つの小説「感情教育」のネタバレが若干含まれています。) (※この記事には、簡単にですが虐待に関する記述があります)  桜庭一樹の小説に「ファミリーポートレイト」というのがある。主人公の女性「駒子」は、物心ついた頃から父親を知らず、母親に虐待とネグレクトを受けて育つ。十五歳で父親から助け出されるのだけど、その際に母親に自殺されてしまう。その彼女がやがて小説家『眞子』

          わたしと友達のこと 【雑感】

          遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがい致します。

          遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがい致します。

          いつも読んでくれている方々、スキを押してくれる方々、どうもありがとう。私もいろいろな方のノートを日々見ています。 最近奮発してパソコンを買ったので、来年はもう少しいろいろなことが出来そうです。 皆様、良いお年を。

          いつも読んでくれている方々、スキを押してくれる方々、どうもありがとう。私もいろいろな方のノートを日々見ています。 最近奮発してパソコンを買ったので、来年はもう少しいろいろなことが出来そうです。 皆様、良いお年を。

          Twitterから写した詩8 【詩】

          新月の夜の桜の木の上には、女の人が腰掛けて微笑んでいる。私は挨拶をする。満月の夜の赤い鉄塔の上には、ハチワレの雄猫を抱いた少女が手を振りながら跳ねている。私は微笑み返す。大事にしていたペンタスに雪が降り積もって、枯れた。 海と空が交わった。夜と昼が一つになった。私は二つの月が見守る庭で黒い太陽を抱いて眠っています。 雲の上、鳴かない鳩と猫の神様を囲んで動物たちが音を立てずにお祭りをしている中、茶色い犬だけが騒がしく愛を配っていた。その愛に惹かれて、犬の心臓を抉りにやって来

          Twitterから写した詩8 【詩】

          Twitterから写した詩7 【詩】

          悪魔と神の声を聞き彷徨う霊 差し伸べた手を見つけて そうして 新しい道を作って 深い森に住んでいた二人の間で枯れた花を 川へ捨てに行く 雪に覆われた墓地を抜ければ いつもの場所であの人が待っている 祈るのは後で 彼と彼女を探しに故郷へ旅立つことを どうか許して 会いに来て 会いに行くよ 愛しいあなたへ 言葉にならない ぼくはまた身を投げます 必ず探しに来て 世界一幸せな女の子へ 天の果てで この世で最も美しい鳥たちと束の間のダンスをする 来なよ 一夜限りの愛を あたしに

          Twitterから写した詩7 【詩】

          恢復日記 2017年6月〜7月 【日記】

          6月 これから仕事の面接に行ってきます。カラオケで勢いをつけてから臨む予定です。 6月 お仕事が決まりました。嬉しいです。今日はそれに合わせて、急いで引っ越しの準備をします。段取りが悪かったので慌ててます。 6月 新しく暮らし始めた街に落ち着く場所を見つけたので、寛いでます。周りにもゆったりと過ごしてる人たちが多くて、穏やかな雰囲気です。 7月14日 慣れない生活で上手くやれてるのかも分からず、目を回している毎日ですが、なんとかお仕事が続いてます。 7月14日 毒は美

          恢復日記 2017年6月〜7月 【日記】

          Twitterから写した詩6 【詩】

          女は笑顔で神を殺す 虚無の悲鳴が空から降ってくる 羨ましいか ここは逆さの螺旋階段を登った先の深海の小部屋 偶然拾ってしまった大切な宝物の人形みたいに 彼は私をトランクに詰めて連れて行く 本当は捨てたほうがよいのに 彼も私 怖がらないで 心に浮かんだ言葉を 信じ難くても おかしく感じても 素直になって話したい人へ話してみて 通じるんだ 恐るべきことに 右胸に耳を押し当て 指を曲げないようにしながら掌を左胸に添える 逆さまの海に落ちる 空の果てで大事な人に本を渡し終え

          Twitterから写した詩6 【詩】

          Twitterから写した物語4 【とても短い小説】

           橙色の電灯から、着ているワンピースとよく似た色のカスタードクリームが溢れてきて、どろどろ喉の奥へ入っていく。昼と夜の匂いの混ざる彼は、おっかなびっくりわたしに愛を注ぐ。お腹が張り裂けてしまう。ゆっくり、どうかゆっくり。貴方が愛しい。わたしが遠くにいる。死んじゃうよ。 (18' 8/15)  男嫌いの私のためにかわいく着飾ってやってくる無口な男の子の、欲の無い優しさについ甘えてしまって、誰よりもか弱い彼を押し倒して、私は夢を押し込んでいく。 (18' 8/15)  か

          Twitterから写した物語4 【とても短い小説】

          9月23日 【日記】

          真夜中に何度も謝りながら道端の彼岸花を一輪摘んできた。涙が出た。 窓の外に生けてある。

          9月23日 【日記】

          たまご焼き飯と味噌ラーメン 【今日のご飯】

           起きて、炊飯器の保温時間を確認するとなんともギリギリだった。チャーハンにしようと決める。  業務スーパーで買った味噌ラーメンの残りの賞味期限を確認したら少し過ぎてた。冷蔵庫から取り出す。  買い置きのシーチキンの缶詰を空けるのはまだ惜しい気がしたので、卵を二つ掴んで出す。  野菜室で見つけた長ネギの切れ端を刻むと、オイスターソースと醤油を混ぜた卵と一緒に炒める。油をひかずに弱火でぐるぐるかき混ぜ、すぐにご飯も入れる。コンロの上をあげは蝶がひらひら舞う。焦げ付くのが怖く

          たまご焼き飯と味噌ラーメン 【今日のご飯】

          Twitterから写した詩5 【詩】

          無上の救いとして破滅を説く精神 凍りついた美しい情景が永遠であるように祈る 私は病んだ人達の人身御供で 虚しさをお腹に詰め込まれては微笑む 孕むのは一つ目の屍 二人の人魚の小さな庭を奪わないで…… 僕の花束でいつかあなた様の首を切り落とします 愛しています 空を飛んでいる猫に手を振らないで 小人がのんびりと踊ればお腹が抉れ 僕は何度も気が触れる 無かったことになっている 幼い日に窓から見上げた夜明け前の紫の空を 愛に溢れた虚無たちの隣でまた見ている 消えない影 こぼ

          Twitterから写した詩5 【詩】