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【見るだけで「予祝」してくれるような作品を】ことほぎ インタビュー

ことほぎ 個展「エンシェントワンニャールド」を、2024年7月10日(水) – 7月21日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、ことほぎさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします。

置物などの立体作品を中心に制作しております「ことほぎ」です。「一目見て笑顔になれるもの」をテーマに、縁起物や神様、仏様などを温かみのある素材の木粉粘土を使用し、彫ったり削ったりして制作しております。

「ことほぎ」という言葉は「予祝」という意味があり、言葉で先に祝福することでその夢が現実になるという古代の日本人が行っていた文化です。見るだけで、「予祝」をしてくれるような作品づくりを心がけております。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

元々は長年漫画を描いていたのですが、表現したいテーマが哲学だったこともあり、なかなか作品に生かせず、あまりうまくいきませんでした。

そんな折、父が病気になり、なぜか「身代わり地蔵」を作ろうと思い立ち、近くのお店で売っていた木粉粘土でお地蔵さんを作ったところ、想像以上に周りの人に喜ばれました。

漫画は何とか伝えようと悩んで、何枚も描いていました。そうしているうちに一目見ただけで人を喜ばせたり、笑顔にしたりすることができる、ということに気づき、それならいっそ「縁起の良いものを作って見た人を笑顔にしよう!」と思ったのがきっかけです。

現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。

使用している木粉粘土は廃材や間伐材が原料なので、「形を変えて生まれ変わる」という感じがして気に入っています。木の質感が出せるので、見た目も手触りも温かみがあります。最初に手に取った素材だったこともあり、思い入れがあります。

塗料は木材用のカラーニスを中心に使用していて、せっかくの木の質感をあまり壊さないよう工夫しています。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

古事記のような古代史、人類史が好きなので、本を読んだり動画を観たり、神社やお寺に行ったりします。

何気ない風景の中で見るもの、聞くものなどからふとインスピレーションを受けることもあるので、常にアンテナは張っていますが、なんとなくボーっとしているときに思いつくことが多いです。

瞑想もしますが、ほとんど寝てしまい失敗に終わります。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

江戸時代前期の僧、円空(えんくう)さんの円空仏のような、可愛らしくて人を癒す力のある仏像が好きで、少しでもそんな力のある作品が作れたら、と思っています。仏師の松本明慶(まつもと みょうけい)さんの美しい仏像や、歴史のある仏像なども好きです。

歌川国芳や広重、葛飾北斎などの浮世絵が好きで、影響を受けました。漫画を描いていた時のネタ探しで読み漁った資料や本などからは非常に影響を受けていて、ストーリー性、キャラクター性が感じられるもの、服の柄の一つまで意味を考えることなどを意識しています。

これからどんな作品を作りたいですか?

「一目見て思わず笑顔になるもの」という根底は変えず、縄文土器やホピ族の精霊カチーナ、八百万の神など、大地や水、火や空気など、自然のエネルギーが常に傍にいることを感じられるような作品が作れたら、と思っています。

半立体や他の素材、イラストなど、新たな表現にも挑戦してみたいですし、枠にとらわれないような、もっと自由な表現もしてみたいです。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

タケミナカタ

タケミナカタは古事記にも登場する神様です。国譲りでは負けてしまいますが、本来はとても力の強い神様で武神として信仰されています。大きな龍や蛇、獅子とも言われており、世界の様々な神話の神と共通点の多い神様です。

この作品の色を塗り始めたとき、いつもは見かけない同じ柄の大きな野良猫さんが家の周りをうろうろし始め驚きました。完成したらどこかへ行ってしまったので、タケミナカタ様が応援してくれていたのかもしれません。

五色猫 黄猫

日本で一番古い神社と言われている幣立神宮(へいたてじんぐう)に伝わる「五色人の面」というものが存在します。五色人というのは、かつて世界中に存在した「赤人」「青人」「黄人」「白人」「黒人」の五色の民のことで、かつてはその代表が集まって平和のための会議をしていたそうです。

平和を願って、その「五色人」をモチーフにした「五色猫」を作りました。
黄色はアジア系の民族を表しているようです。それぞれ個性を持たせて作ったので、楽しんでいただければ幸いです。

コノハナサクヤヒメ

桜のように美しい絶世の美女だったとされる「コノハナサクヤヒメ」は、古事記では夫に浮気の疑いをかけられた際、産屋に火をつけて出産するなど、激しさも持ち合わせている神様です。富士山の浅間神社にお祀りされていることで有名です。この神様も、世界のさまざまな神話の神々と共通点が多いです。

古事記では離れ離れになってしまいましたが、姉の「イワナガヒメ」と仲良くお茶をしている姿にしたくて、桜餅を食べております。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

世界中のさまざまな神話が妙に似ていたりするのは、実は同じ神様の話だったからかもしれない…。

そんな「古代の世界は一つの文明だった」という説「エンシェントワンワールド」をもとに、世界の様々な神様たちを猫ちゃんで表現した「エンシェントワンニャールド」です。

この猫とこの猫は、実は同じ神様かも…。そんな想像も楽しんでいただければ幸いです。

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ことほぎさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは、「見るだけで、『予祝』をしてくれるような作品づくり」という言葉が印象的でした。作品が自分を前祝いしてくれると思うと、なんだかとても幸せですよね!お祝いごとや縁起物は、いくつあってもいいものです。ぜひ、ことほぎさんの個展で「予祝」気分を味わってみてはいかがでしょうか。

ことほぎさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

ことほぎ 個展「エンシェントワンニャールド」

〈会期〉2024年7月10日(水) – 7月21日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/kotohogi_exhibition_2024/
〈ことほぎ 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/MQONMAjunRiptul
Instagram https://www.instagram.com/kotohogi.hachi32/
HP https://koto-hogi.amebaownd.com/

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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