何者かになりたかったわたしへ
旅行先で、飲み物を買うために立ち寄ったコンビニ。
たぶん寒い日で、飲み口から湯気の出るコンビニコーヒーを片手に運転席へ戻った。
隣には、旦那さん。
コーヒーの湯気が目をじんわりと温め、その温かいほど良い苦味が喉を通り脳がほんのりと違うモードに移ったような瞬間。
私の目の前に、山を携えた夕暮れの空が、ただそこにあった。
それは本当に何気ない、取るに足りない、なんならコンビニ前の道路も視界の枠に収まるような何でもない、ある日の少し田舎の夕暮れ。
車窓越しだし少し汚れて見えていたか