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公立学校コンセルヴァトワールクラス

フランス全てのコンセルヴァトワールに付随はしてませんが、公立小学校、中学校には、コンセルヴァトワールでの学習をしやすいように学校の時間帯に授業をするクラスがあります。
Classe horaire aménagé musique の頭文字を取って「Cham」と呼ばれる事が多いです。ダンスのクラスは中学のみにあり、musiqueがdanseになってChadと呼ばれます。このクラスには緩いとはいえ選抜試験があり、合格するとそのクラスがある学校に越境入学することになります。そして、学校の時間割を融通することで学校の時間帯にコンセルヴァトワールに通うことになります。
試験内容は、コーラスとフォルマシオン・ミュジカルの集団授業、楽器の演奏と面接です。学校の成績などの書類審査(在籍校を明記するだけで、こちらから何かする必要はない)もあります。

私の住む地域のChamは今が来年度の願書の提出時期で、月末に試験があります。
こちらの学校で中学1年のルルを、来年からChamに行かせようかと少し悩みました。が、チェロの先生が懸念している問題が、我々親子が懸念している問題と一致してて、あまり気乗りがしません。
というのは、少なくともうちの子のチェロクラスの場合、楽器が個人レッスンではないのです。小学校が同じで同じ先生のチェロクラスにいて中学進学と共にChamに行った女の子マラちゃん(チェロのレベルはルルとほぼ同じ)のママに聞くと「生徒みんなのレベルが同じではないから、マラは易しすぎる課題を持ち帰る」とのこと。
楽器の習得に本当にいい環境かと言われたら「うーん」と思いますよね。そして何よりもルルが「シリー(先生の仮名)と一対一のレッスンじゃなきゃヤダ」と言います。

確かにChamには音楽を幅広く経験できる授業があります。コーラスが必修ですし、アンサンブルも全員がまとまった時間に授業するからこそできる小さいアンサンブルもありますが、この年頃の子がそれを生かすには、楽器の習得ができないことには、と、音楽を長くやってきた親は思いますし、チェロの先生シリーの意見でもあります。

先日シリーに「ルルをChamに行かせようか考えてまして」と言ったら「あまりお勧めはしないけれど、そうなったらそうなったで後押しします。そうなると個人レッスンが今年度いっぱいになるからちゃんとそれを利用しなくてはね」と言われましたし、昨年、ちょっと相談した時には「あれこれ小グループのアンサンブルの授業があるけれど、それよりもまず楽器をきちんと習得しないことには」と言われたので、その時点で「我が家には向かない」と思ったのです。
さらにルルと小学校が同じ子のご両親で親しい付き合いはないけれど、この件に関して信頼しているコンセルヴァトワール勤務の方も、最初はChamに行かせようと思っていたのに最終的に「Chamはちょっとダメ」とご自分のお子さんを入れなかったので、ここ数年で大きく変化したのかなとも思います。

学校とコンセルヴァトワールの両立が大変になってきたからChamにしようかなというのはあるのですが、昨年の今頃、この理由で却下したChamへの進学は、今年も却下になりました。

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