鍼灸師が知っておきたい高齢者向け最強トレーニングメソッド
こんにちは!
在宅専門鍼灸師のてっちゃんです。
新人鍼灸師や鍼灸学生に向けて在宅の臨床現場で必要な情報をわかりやすく発信しています。
在宅現場で働く鍼灸師の皆さんは、鍼灸治療と併用して運動療法も行っている人は多いんじゃないでしょうか?
1.高齢者に筋トレって意味あるの?
ひと昔前までは、高齢者に筋力トレーニングを行っても筋力は増強するけど筋肥大は起こらないという考えが当たり前の常識となっていました。
今では、高齢者であっても筋力トレーニングを行えば、若い人と同じく筋肥大が起こると言われています。
ただし、痛みや心血管系の事故などのリスクは当然高まるため、「無理な運動は心配でさせられない」という悩みを感じている鍼灸師は多いんじゃないでしょうか?
2.高齢者にとってサルコペニアの予防がカギ!
高齢者は加齢によって、サルコペニア(加齢性筋萎縮症)という問題が起きてきます。
サルコペニアとは、
筋肉の量が減少することで、全身の筋力低下が起こることを指します。
いつまでも活動的で元気に過ごすには、このサルコペニアをいかに防ぐかが極めて重要な問題となります。
3.どんな筋力トレーニングが必要なのか?
筋力トレーニングにおいて、筋肥大を起こすにはどの程度の負荷が必要かご存知ですか?
それは「80%1RM」というめちゃくちゃ高負荷な筋トレが必要なんです!
ヤバくないですか!?
80%1RMという言葉に「??」という方もいるかと思うので簡単に説明すると、
80%1RMとは、
「最大挙上重量の80%で1回行える運動負荷」であり、
100%1RMが100kgの重さで1回支えながらスクワット出来る人の場合、
80%1RMは「80kgでのスクワットを1回行うことで筋肥大が見込める」というものです
【RMとは】
repetition maximum(レペティション マキシマム)の略で、ある決まった重さに対して何回反復して運動を行うことができるかによって運動負荷を決める方法。
1回が限界の負荷の場合には1RM、5回繰り返せる負荷の場合には5RMと表します。
「そんな高負荷のトレーニングさせられる訳ないだろ!」
というみなさんの心の声がめっちゃ聞こえてきてますw
そうなんです。
そんなことをさせたらほとんどの患者さんは怪我したり、痛みを引き起こしてしまいます。
4.高齢者向け最強のトレーニングメソッド
そこで、今回「安全で有効なトレーニング法」をご紹介したいと思います。
それは「スロートレーニング」(通称スロトレ)という筋力トレーニング方法です!
ゆっくりとした動きで筋の収縮を維持したまま動作を繰り返すトレーニングで、
50%1RM程度の比較的軽い負荷(この負荷では通常筋肥大は起きにくい)にも関わらず、
80%1RMと同等の筋肥大・筋力増強効果が得られると言われています。
このスロトレをまさに実践しているのが実は「太極拳」なんです!
鍼灸師の中では実践している人も多く馴染み深いのではないでしょうか。
5.実際にどうやったらいいの?
このスロトレの特徴は筋収縮を休憩なしで常に発揮し続けることで筋内圧が上昇し、血管を圧迫し続ける状態となります。
その結果、筋肉内の酸素環境や代謝環境が過酷な状況になり、めっちゃ効率的に筋肉の肥大を引き起こすと言われています。
※加圧トレーニングと近いメカニズムですね
具体的な方法は沢山ありますが、今回はスクワットを例に考えてみますね。
【スロトレ実践法】
⑴ゆっくりと3秒かけてスクワットしていきます
⑵そのまま3秒かけて立ち上がります
この際、「立ち上がりきらないこと」がポイントです!
これを8-10回できるくらいの負荷量が50%1RMくらいになります
これなら出来そうじゃないですか?
太極拳はこれを応用した運動になるので、朝の公園で高齢者の方があれだけ取り組んでいるのは理にかなっていると言えますね。
ぜひ患者さんにも試してみてください✨
今日のまとめ
「スロトレするならスクワットで50%1RMを8-10回やれ!」
この記事が「良いな」と思ってくれたら
ぜひ❤️やシェアをお願いいたします😘
-------------------------------------------------------------------
若手鍼灸師向け月額制マガジンもやってます📚
月額1000円で9本の記事を読むことが出来ますのでとってもお得✨
(中医学・経絡治療・運動療法・フィジカルアセスメント・養生・プライマリケア・泌尿器・多職種連携・リスク管理)
公式LINEでは定期的に臨床に関する配信をしています!
ぜひ登録お願いします!