#3 フィジーク | 元祖筋育専用干し芋フィジーモ BrandStory
若いあんちゃん
東京の高級百貨店に似つかわしくない格好をした若い男性が、売り場に近づいてきました。
お客様はマダムの方が多いので珍しく思い、声をかけてみました。
「お兄ちゃん、ガタイ良いけど、何かやってるの?」
(田舎者で言葉が乱暴でごめんなさい)ゆったりとしたパーカーを着ていても、肩と腕がモリモリ発達しているのがわかりました。
(怪しい・・・。)
「ええ。”ふぃじーく”というジーパン(海パン???)履く競技やっているんですよ~。最近ようやく勝てるようになってきて・・・。」
(ジーパン?海パン?ふぃじ・・・?ふぃぃー なんだそら?w)
「へー・・・。それだけイイ体していたら、女性にもてるでしょ?」
「いや~、筋トレしか興味ないですよ~」
こんなやり取りをして、干し芋を買っていただきました。
これだけでやりとりは終わったのですが、なんとなくその若いお兄ちゃんが気になって名前をお聞きしなかったのを後悔しました。
フィジークとの出会い
緊急事態宣言期間に入り、いよいよ本格的に売上が下がりました。
リーマンショックも原発事故の風評被害も乗り越えてきて、ダブルパンチ・トリプルパンチには慣れてるはずなのに、やはりつらいものはつらい。
なにか新事業に投資をしなければなりませんが、手元にお金はありません。悶々としながらたまたまつけたテレビに、あのお兄ちゃんが映っていました。
ジーパンだか海パンだかを履いてやる競技は、「フィジークphysique」であることがわかりました(有名な人だったんだね。サインもらえばよかった…)。
ふと、思い出しました。
「フィジーカーって干し芋をたくさん食べるって言ってたな。」
「あのスゲー筋肉をつけるのって、かなりの時間と努力が必要だよな。」
「頑張っているフィジーカーが食べやすくて、もっと筋肉がついて、彼らの人生が輝けるような干し芋を開発できたら最高だよな。」
それができるのは、オーガニックで徹底的に生産管理をしているうちのほしいもだけだと気付きました。
フィジークへの誤解
さて、いざフィジーク専用干し芋を開発しようと思ってみても、素人の私には何から手を付けて良いか全く見当もつきませんでした。
手始めに、SNSや動画サイトでフィジークコンテストをのぞいてみました。
ステージ上では、みんな体バッキバキだし、皮膚テッカテカだし、顔真っ黒でニッコニコだし、ちょっとお金を持った筋肉マッチョの人たちの趣味なんだろうな、と思いました。
しかし、それは間違いでした。
あらためて調べてみると、SNSや動画サイトに日々アップされる姿はみな真剣で、趣味や娯楽といったレベルではありませんでした。
トレーニング、食事、体の管理に細心の注意をはらったり、皆独自の理論をもっていながらも学術研究やスポーツ理論などの新しい考えを柔軟に取りれたりと、アスリートの姿そのものでした。
まさに人生をかけてあのステージに立っていたのです。
「こんな真剣な人たちがもっと輝けるような干し芋がつくれたら最高だよな。」と、あらめて決意をしたのでした。
立ち上がった18人熱きトレーニー達
「でも素人で何もわからないし・・・。」
であれば、「フィジーカーさんに直接アドバイスをもらえばいいんだ!」
そう思いつきました(単純)。
とはいうものの、私にフィジーカーの知り合いはいませんでした。
そこで、SNSにフィジーカーの方々やフィジーカを目指している方々が日々の姿をアップ(ポスト)しているのに着目しました。
「直接メールを送ってお願いしてしまえ!」
引っ込み思案な私は、他人にお願いすることが苦手です。
栃木の田舎の農家のお願いなんて聞いてくれるのだろうか?
清水の舞台から飛び降りるような覚悟でメール送信ボタンを、ポチッと押しました。
「フィジーカーさんがいつでもどこでもカンタンに使えて、肉体づくりに貢献できる芋を作りたい!」
この想いを文章にのせて・・・。
そうして、呼応してくださったのが↓の熱きトレーニー達18人です。
顔を合わせて会議をしたかったのですが、新型コロナ過ですし、オンラインと言ってもL.A.から参加されている方もいらして(かっこいい)、時間も合わないしで、もっぱら文章でのやりとりとなってしまいました。
しかし、沢山の熱いアドバイスをいただき、開発は進みました。
つづく
文:戸崎泰秀